嬉しくないシンクロニシティ。

 プログラム切り替え直後の月曜日は、新・午前十時の映画祭の鑑賞日です。とにかく作業は詰まりまくっておりますが、こういうリズムは保った方がたぶんいいだろう、と自分に言い聞かせてお出かけ……その分、早朝まで頑張って一段落させたもので、寝不足気味ではありますが……。

 TOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した今期の作品は、高倉健主演、オリンピック代表にも選ばれるほどの射撃の腕を持つ刑事が遭遇する様々な事件と人間模様を、12年にまたがって綴るドラマ『駅 STATION』(東宝配給)

 倉本聰脚本らしい、沈黙を随所に織り込み、説明台詞も廃した作りが、やたら静かなタッチで物語を綴るのですが、しかし情報を可能な限り伏せているために、淡々としているけれど惹きつけられる。主人公・英次を軸に、彼と関わる女性達や犯罪者が群像劇めいた形で描かれていますが、そこにきちんと通底するものがあり、それがクライマックスで強烈に表出する。それでも終盤の描写はまた淡々としているのですが、個々の行動が示す英次の心情、描かれなかった背景を想像させて、しんしんと沁みてくる。実にいいドラマです。

 帰りに昼食を摂って、満足して帰宅したんですが、仮眠を取ろうと横になりつつスマホをいじっていたら、阿藤快の訃報に接してビックリ。しかも調べてみると、ぜんぜん気づいてませんでしたが、まさに今日観た『駅 STATION』に、劇中で立てこもり犯の役として出演していたのです……気づかなかったのがものすごく申し訳なく思えてしまった。ご冥福をお祈りします。

 ちなみに新・午前十時の映画祭次のプログラムは、『ラストエンペラー』と『宋家の三姉妹』という中国近代史を2本立てです。

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