さすがに人肉食との2本立ては無理だよ。

 というわけで、まずは昨晩の続きです。

 電車にて新宿入りして、まず立ち寄ったのは角川シネマ新宿市川雷蔵の特集とか、細かく面白そうな企画をしてくれるので、もっと立ち寄る機会があるかと思ってたんですが、今年は来るタイミングを逸し続け、初訪問です。しかし来年は市川崑作品の特集があるので、少し集中的にお邪魔したいところだ。到着が早めだったため、世界堂にちょこっと寄り道をして、壊れたリフィルペンのカートリッジを買い直したりして時間を潰す。

 鑑賞したのは、『キャビン・フィーバー2』のイーライ・ロス製作&タイ・ウェスト監督のコンビがふたたび組んだ作品、実際に起きた集団自殺事件をベースに、惨劇の一部始終をフェイク・ドキュメンタリーの手法で描いたサクラメント 死の楽園』(東京テアトル配給)。ほぼ同時期公開のイーライ・ロス監督作『グリーン・インフェルノ』と共同でキャンペーンも張っているので、どうせならハシゴして……とも思わないじゃありませんでしたが、人肉食映画と集団自殺の2本立てのあとで徹夜で怪談を聞く、なんて真似をしたら体力が保たないのは確実。大人しく、未鑑賞のほうだけ観ることにしたわけです。

 正直に言えば、ちょっと期待しすぎた感は否めない。そこまで激しく緊張を強いられ、精神力を奪うほどではなかった。闇雲に恐怖を煽らず、視点が固定されている以上知り得ない出来事や感情は描かない、という姿勢を貫こうとしたのが窺え、それ自体は評価できるんですが、少なくとも見えている出来事だけから解釈すると説明がつかない、或いは矛盾する部分が多いのが難です。解釈の幅を楽しんで欲しい、というにも、ちょっと埋めにくい要素が多いように思います。

 ただ、カルトを決して悪意のあるものとして安易に描いていないことは評価できる。見せない部分にある醜悪さはありますが、しかしそれが外の世界と同様に、単純な善意や、思い込みで始まっていることも垣間見える。そういう側面を汲んでいるお陰で、細かな矛盾や説明不足を超えて衝撃をもたらすわけです。傑作、と呼ぶには物足りないんですが、パワーはある。

 出がけにアイスを食べて小腹を満たした、つもりだったんですが、終わるころには空腹による低血糖に似た状態になり、劇場を出るなり近くのコンビニに駆け込んで、慌ててファンタでごまかしました……あんまり身構えすぎて、余計に気力を消耗してたのかも知れません。

 遅い夕食を摂って、いよいよ今年最後のアレです、が、このあとは仕切り直して、13日付の日記に記します。

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