レンタルDVD鑑賞日記その463。

  • 『ほんとにあった!呪いのビデオ65』(BROADWAY[発売])

 今年最後の『ほん呪』です。彼女のマンション付近に出没する謎の女が、思いがけない過去を掘り起こす『MEMORY前・後編』、特殊清掃をしていた人物が発見した古いビデオ『遊女』などを収録。

 前任者・岩澤宏樹演出がシリーズの金字塔にも等しい傑作を残して去ったのを受けて菊池宜秀が演出に就任してはや10本目、正直彼には重荷だったんじゃ、という印象が強く、今回も不安の方が強かったんですが、しかしこの巻はかなり良かった。

 映像自体は近年のこうした怪奇映像の主流に沿ったものではあるのですが、やっぱりこのシリーズは、その異様さを取材で掘り下げていることにこそ価値がある。ほとんどのエピソードがかなり高い水準にあります。前述した『遊女』や、サプライズ・パーティを撮影したはずが思いがけない事実を掘り起こす『家族』など、映像自体はありがちでも見せ方が堂に入っているエピソードばかりですが、やはり特筆すべきは前後編で綴る『MEMORY』です。映像自体も薄気味悪いのですが、そこから発掘されていく事実がどんどん想定外の方向へと転がっていく不気味さ。そしてラストまで辿り着いたとき、ぼんやりと浮かび上がる“悪意”の片鱗はあとを引きます。

 このクオリティなら、今後菊池演出が続くとしても、もーちょっと期待が出来るかも知れません……ただ、前述した通り、これがちょうど就任から10本目なので、退くにはいいタイミングとも言える。まあ、菊池演出が続投するにせよしないにせよ、次巻もちゃんと鑑賞します。

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