レンタルDVD鑑賞日記その520。

『心霊闇動画』のスタッフによる、心霊スポット潜入ドキュメント。現地で最恐と言われる、水子を祀った神社、廃墟と化したホテル、宗教団体慰霊碑のあとに建築されたと噂される病院を、霊感があるというゲストと共に巡っていく。

 基本的に、こういう心霊スポット探訪ものであんまり面白い作品はない。それこそ、訪ねてワーキャー騒いでいるばかりで、映ったとか聴こえた、と言っているのも「そう言われればそう見えるor聴こえる」レベルなので、だいたい拍子抜けしかしない、という代物になりがちだからです。『新耳袋殴り込み』シリーズがそれでも面白く、あれだけ支持を集めたのも、背景をきっちり取材したり、怪奇映像を得るためにお守りの類は厳禁し特殊な手法を選択してリアクションを拾っていくスタイルにしたから、というのが大きい。まあそれ以上に、あのシリーズに携わっていたのは何だかんだ言って映画関係者ばかりなので、見せ方が巧い、というのもあるのですが。

 前置きが長くなりましたが、つまるところこの新しいシリーズも、けっきょくは“基本がなってない”というところに集約されてしまう。あまりにも無考えに撮って並べているので、怖さを共有するどころか、興味を持って鑑賞するのも難しい。

 評価出来るのは、訪れるスポットによって現象や展開が微妙に異なっているので、多少は観ていられる、という程度。怪奇現象が起きることを求めるわりには、真っ暗な中で突然訪れているせいで、そこで何が起きるのかまったく把握していなかったり、“みさの呪い”という興味深い題材とそれに関連するものも発見しているのにまったく掘り下げずにうろついているだけだったり、あまりにも見せ方が雑。冗談でも何でもなく、いっかい『新耳袋殴り込み』を観て、どーしてあれがあんなに喜ばれたのか、どうすれば面白くなるのか、怖くなるのか、を考えてからやり直して欲しい。

 既に3巻まで出ているこのシリーズですが、正直なところ次を観る気がまったく起きません……こういうので面白さを求めるなら、『新耳袋殴り込み』の復活を願うしかないのかな〜……。

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