レンタルDVD鑑賞日記その523。

  • 『呪われた心霊動画XXX4』(アムモ98)

 前巻に登場した部屋にかつて済んでいた、という女性の体験談“その部屋”、婚活サイトで知り合った恋人との初デートで記録された異変“不気味の谷”とそれに繋がる“遺失物”、恐怖のサプライズを仕掛けるはずが想定外の恐怖に襲われる“ホラールーム”など6篇を収録。

『ほんとうに映った!監死カメラ』が終了してしまったいま、それなりに質の安定したシリーズも少なくないものの、私が心から楽しみにしているのは『ほん呪』とこのシリーズくらいかも知れません。今回も演出補のキャラクターなどに引っ張られることなく、異様な映像や、情報の蓄積でしっかりと恐怖を切り取っている。

 今回、連作である“不気味の谷”及び“遺失物”と、繋がりがないはずの“ラブホテルの鏡”のエピソードの背景がどこか似通っているのが少し気になりましたが、同じような背景であっても切り口によって手触りは変わってくる、といういい証明かも知れません。

 ほとんど飾りもない映像だというのに、それ自体に緊張感と恐怖が滲む“その部屋”の動画がまず秀逸なのですが、今回感心したのは“不気味の谷”と“遺失物”の連作です。1本だけならちょっと変な映像かな、という程度であり、他に良質の素材があればお蔵入りになっても不思議ではなかった映像が、別の投稿によって改めて異常性に注目される、という趣向が見事に効いている。

 一般的な怪奇映像ものとは少し違った顛末を迎える“ホラールーム”の見せ方もスパイスになっていて、慣れていない人には充分怖い、慣れていても最後まで楽しめる文句なしの仕上がり。まあ、ホントは先行作『死画像』と、それを受けての第1作を超えるエピソードが観てみたい気もしますが、さすがにそれは酷かも知れない。

  • 『呪いの消せない?! 本物投稿映像』(A-arrows)

 ……なんでこっちを後回しにしてしまったのか。あまりに胡散臭すぎるタイトルなので、届く前から不安ではあったのですが、観てみたら、私がこれまで鑑賞してきた怪奇ドキュメンタリーのなかでもトップレベルの駄作でした。

 投稿映像と称する作品がすべて廃墟を舞台にしていて、しかも複数で潜入した、というものでも撮影者以外に誰も映り込まない不自然さ。それでもうまく見せる方法はありそうなものですが、ぼそぼそと聞き取りにくい上に内容は支離滅裂、ときどき噛んでいるのにリテイクもしない、という酷すぎるナレーションに、1本の映像から発見された怪奇現象を意味もなく分割して収録する程度の工夫しかしていない雑な編集。収録本数は多いのに、2本目を観ている途中でウンザリしてくる、というのも逆に凄い。

 まあ100歩譲って、自分で撮ってくるのは構わない。予算の都合もあるから出演者の少ない映像でごまかしたいのも理解できる。しかしそれならせめて映像単品で雰囲気を出せるようにしようよ。夜間撮影が1本だけ、って、わざわざ志向して怪奇ドキュメンタリー作ってるわりに情けなくないか?

 ビデオカメラと編集機材を揃えた素人が、自分で撮影し、ろくすっぽ方針も定めず、原稿すら用意せずアドリブでナレーションを吹きこんででっち上げた、という程度にしか見えない劣悪な仕上がり。レンタルであっても金を出した自分に腹が立つほど最悪の出来映えでした。勉強して出直してこい。

 あまりにもあんまりな出来映えだったため、お口直しに『XXX4』を再鑑賞しております……ああ、和む。

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