2分足りない。からの大つけ麺博2018(私にとっての)ファイナル。

 今年の大つけ麺博残すところあと2日。とりあえず各陣ごとに1店舗は食べてみる、という自分ルールを密かに設定していたので、終了間際の今日も新宿に赴いたわけです。

 もちろん出かける以上は映画も観る。大つけ麺博合わせで少し予定が乱れておりましたが、プログラム切替直後の火曜日でもあるので、TOHOシネマズ新宿にて午前十時の映画祭9上映作品を押さえてきました。

 今コマの作品は、近松門左衛門浄瑠璃をもとにした戯曲を、『雨月物語』など女性を題材とする映画で手腕を発揮した溝口健二が映画化、偶然の成り行きから不義密通を疑われた男女の悲運を絵書きだした近松物語 4Kデジタル復元版』(大映初公開時配給)

 とりあえずデジタル復元の緻密さにまず感嘆。そのまんまデジタル化するとフィルム特有のブレが放置されていることも多いんですが、素晴らしいくらい安定している。あれを味と捉える向きには物足りないかも知れませんが、“復元”という観点からはこれで正解だと思う。

 ストーリーはまさに日本の時代劇。かつての日本の価値観、倫理観のうえでしか成立しない展開と情緒に満ちています。中心となる茂兵衛もおさんも、決して軽率には振る舞っていないのに、のっぴきならぬ事態に追い込まれていく。そんな中で次第に想いを通わせていくことで状況は変わっていき、ある意味では予想どおりの結末に、思いも寄らなかった乗艦を添える。所作の細部までリアリティが徹底しているからこそ説得力のある筋回しで、冒頭から終わりまで無駄がない。この作品の佇まいなら、フィルム特有のブレを再現するより、作り手の意図に添って構図を安定させたも正解だと思う。確かに傑作でありました。

 ちなみに、私のシネマイレージカードに貯まったシネマイレージは、きのうの時点で5896。あと104分鑑賞すれば、1ヶ月フリーパスが獲得出来ます。そしてこの『近松物語』の上映時間は――1時間42分。フリーパスを発行するためには、2分を稼ぐためにあと1本観る必要がある、というわけで……まあ、どのみちすぐに発行するつもりはなかったので構わないんですが、なんだかちょっとだけモヤモヤする。

中華蕎麦とみ田の13年目の濃厚豚骨魚介。 映画館を出ると、そばのローソンに立ち寄り、前売り券を購入してから大つけ麺博会場へ……最初にまとめて購入したぶんはもう尽きてたので。

 現在の第四陣は、最後の組でもあるうえに、このイベントでも特に人気のある2店舗が加わっているため、先週末から大盛況だったらしい。そのせいか、第三陣のときにはなかった場所に机が並んでいて、人気の2店舗は他のところよりも列形成のためのスペースが大きく設けられている。とはいえいちおうは平日だからか、始末に負えないレベルの行列になっているのは飯田商店だけ、もう1店舗の方は、列は長めですが動きは速いので、もともと立ち寄るつもりだったこっちをチョイス。飯田商店のほうは……私の気力では無理だ。

 たぶん私にとって今年最後の訪問で選んだのは、大つけ麺博スタート当初からの常連、中華蕎麦とみ田の13年目の濃厚豚骨魚介。トッピングもかなり豪華だったんですが、私にはもたれそうだったので、ノーマルでいただきました。

 いまさら語る必要も感じない、安定した美味しさ。濃厚だけど決してくどすぎないつけ汁に、もちもちだけど歯応えのある麺。とろりとしたチャーシューや少し苦みのあるメンマもいい具合。つけ麺の定番となったスタイルをそのまんま踏襲してますが、文句のない完成度。ダシのよく効いた割りスープを貰えば、ほぼ最後の一滴まで楽しめます……さすがに最後に残った粉は飲む気にならんけど。

 まだ飯田商店と、基本味噌好きとしては札幌味噌つけ麺にちょっと後ろ髪を引かれる気分ですが、明日は来ている時間はなさそうなので、私にとっては今日でイベント終了。また来年を楽しみにしてます。

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