予告通りに小津映画。

 先月27日の記事で“次も小津作品。”と予告したとおり、神保町シアターにてまた観てきました小津作品。

 前回同様、最終回上映なので、夕暮れ間際になってからお出かけです。ちょこっとだけ早めに現地入りして、満タンになったポイントカードでチケットを確保し、それから軽くお買い物……自宅にやって来たレコードプレーヤーのためにLPも眺めてきましたが、価格帯と品揃えのチェックをするのが精一杯で、買うところまで行けず。まあ、きょうは自転車で来ているので、LPなんか買ってしまったら帰るまでに割りかねませんから、これでいいのだ。

 本日鑑賞してきたのは、1949年の作品、娘の結婚を心配する父と、独身の父との暮らしだけで満足していた娘のやり取りを繊細に描いた『晩春』(松竹初公開時配給)

 ……ヒロインと友人の会話がまるで日本エレキテル連合のようだった。

 という戯言はともかく、巷間言われるとおり、確かに後年の小津作品のスタイルはここでほぼ完成している。基本的なテーマも似通っているので、やっぱり随所に既視感を覚える絵面があるんですが、しかし他の作品よりも娘の心情をじっくり見せつつ、けっこう大胆なユーモアも織り込んでいるので、意外なほど手触りが異なる。素材は近しくても、後年の『秋刀魚の味』あたりと比較すると表現が素朴なんですが、だからこそ親しみやすく温か……やっぱり、完成度では『秋刀魚の味』が頂点であっても、この辺から順番に観るべきだった気がする。

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