どこまで読んだカー?

 もともと好きではあったのですが、海外ミステリ翻訳の老舗が積極的に新訳や新装版をリリースしていることもあって、ジョン・ディクスン・カー及びカーター・ディクスンの作品を優先的に拾う傾向にあります。

 が、昨年は読書欲のみならず、懐事情も厳しくなっていたこともあって、新刊の発売をこまめにチェックする余裕もなく、幾つか取り漏らしているらしい。蔵書リストをチェックしていてそのことに気づき、きのうはまだ買っていなかった最近の新装版を1冊購入してきたのです。

 ……それにしても困るのは、いったいどの辺まで読んだのか、解らないこと。シャーロック・ホームズエラリー・クイーンは、代表作の刊行順がけっこう解り易く、また新訳・新装版リリースにあたっては実際の順序に従ってくれるので、フォローもしやすい。しかしカーは、完全に順序がぐっちゃぐちゃです。

 ミステリ愛好家なら名前くらいは知っているはずの代表作『ユダの窓』『三つの棺』『火刑法廷』あたりはずっと市場に残っていましたし、だからこそ優先的に体裁を新たにするのはまあ仕方ないとしても、他はほぼ順不同。編集者か翻訳者の趣味で次に出す作品決めてんのかしら、というくらい順番が読めない。

 まあ、出版不況と呼ばれて久しい現在、こうやって継続的に、しかも比較的マイナーな作品まで含めて、新装版を出してくれるのは有り難いことです。なので、順番に関わりなく出来るだけ買っていく所存。こちらも読みたくなったものから読んでいく――そしてますますどこまで読んだか解らなくなっていくことでしょう。

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