芦辺拓さんの還暦を祝い探偵小説三十年に繋ぐ会、からの新耳袋トークライブ125。

受付そばのカウンターに並べられた肖像画やら記念誌やら花束やら。 昨晩から今朝にかけては、いまの私の体力ではだいぶハードな一日になるのが解ってました。なので昨日はなるべく体調の恢復と、気力体力の維持に努めたのです。万全、とは言えませんが、とりあえず比較的いい状態に保って夕方を迎えられました。

 電車に乗って、まず向かったのは汐留です。探偵小説作家の芦辺拓さんが還暦を迎えられ、そのお祝いと更なるご健筆を願って催される会にお邪魔してきました。芦辺さんの公式サイトの管理をしている――と言っても著作リストの書誌や書影を更新しているくらいですが、そういった縁でお招きいただいた次第。

 芦辺さんいわく、この機会にお会いしたかった方にお手紙を送った結果だそうですが、まあもの凄い賑わい。小説家に評論家に編集者、漫画家イラストレーターと実に多士済々、このところ潜伏している私としては、終始どこにいていいのか悩ましかったり……生ける伝説としか言いようのない辻真先氏の姿を見つけたときとか、芳名帳に永野のりこ氏がすごく丁寧にイラストを描かれているのを見つけたときに著しくはしゃぎそうになってたり。MYSCONで交流のあった方とお話ししたり、このあとのイベントに備え体力を温存すべく、ひとの間を縫いつつ出来るだけ食事を摂ったりしてました。

 会は21時前に終了。もしうまく挟める映画があればそこで時間を潰そうかとも思ってましたが、維移動時間を考慮すると非常に難しい。そこでいったん家に戻ることにしました。軽い食事で栄養を補給しつつ少し休養を取り、ふたたび出発。

新耳袋125看板。 新宿に乗り込んで、赴きますはLOFT PLUSONE。今年最初の新耳袋トークライブ、125回めです。年間パスを獲得しているので、30分前から入場出来ます。到着してあまり待つ必要がない、これだけで素晴らしく有り難い……ただ、折からの寒波の影響で、入口付近にいると凍えそうなくらい寒い。私がいつも陣取っている辺りまで冷たい風が流れ込んでくるので、いちど脱いだダウンを着直す始末でした。

 ちなみに、今年の新耳袋トークライブはちょっと違う。ここは基本、木原浩勝氏がまだ文章にまとめていない取材を初めて“語り”の形で下ろすところで、たまに刊行直前の話を引いたりはしても、この場でいちどかけた話は二度採り上げない、という約束になっている。しかし今年はイベント20周年、この節目に、代表的な話を改めておさらいする、ということになったのです。

 その第1弾として選ばれたのは、『新耳袋第四夜』収録の山の牧場、です。しかも完全版。どの辺が完全だったのか、はいつものことですが、秘密。しかし凄まじく濃密で、かなり重量感のある語りでした。近年の木原さんは脱線が著しい、とは言い条、決して怪談や、それを語る上での心懸けを疎かにされることはありませんでしたが、それでも今回くらい強烈なのは久し振りかも。

 私にとってもヘヴィなイベント連チャンでしたが、疲れはあれど非常に快い。気力をチャージしてもらったような一夜でした。

 ……しかし身体の機能が恢復したわけではない。ほとんどたちっぱなしからの座り心地のよくない椅子での徹夜イベントで、脚はガタガタ。新宿駅の階段が無限に延びているかのような気分を味わいました……。

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