やっぱり映画は(できるだけ)映画館で。

 非常事態宣言の解除からおよそ1週間、新型コロナウイルス感染症の新たな感染者が減少傾向にあることから映画館への休業要請も取り下げられ、都内の映画館もきのうから順次、営業を再開しています。となれば、私としては足を運ばないわけにはいかない。
 ただこの時期、ほとんどの新作は封切りを遅らせている都合上、現在の映画館でかかっているのは、非常事態宣言前に封切られて比較的集客の良かった作品か、午前十時の映画祭10+など何らかの企画によって急遽掘り出された旧作くらいです。しかしこの際、とりあえず映画を観る、ということを最優先にして、出かけやすい劇場、かつ興味のある作品、程度の縛りで選ぶことに。だいぶ悩み、最終的に選んだのは、ユナイテッド・シネマ豊洲。
 ここに決めたのは、比較的値段が安く、駐めやすいバイク駐車場があるから、だったのですが、朝起きてみたら、なんとなくイヤな空模様。しかし、雨が降る、という予報はなかったので、最悪多少は濡れる覚悟でお出かけ。非常事態宣言以来、バイクに乗る機会も減ってましたが、毎日欠かさず『Fit Boxing』をやってるお陰か、取り回しがすごく楽になってます。乗るのが楽しい。
 というわけで久々の映画館詣でで鑑賞したのは、イギリスの片田舎の漁師たちが労働歌で歌手としてデビュー、国を席巻するほどの大ヒットとなった実話をもとにした、ハートフルなドラマフィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』(ALBATROS FILM配給)。ちなみにこの作品の封切りは今年1月10日、普通ならとっくに都内では終わってる頃合いです。公開時にちょっとだけ気になってて、スケジュール的にもちょうど良かったのでこちらに決めた次第。
 正直に言えば、ドラマとしては派手さも意外性もない。もともと冗談で漁師たちをスカウトするよう示唆された主人公が、気づけば漁師たちの歌に籠められた歴史や絆の魅力に打たれて、本気で彼らをデビューさせようと奔走する。そのきっかけが、漁村のシングルマザーへの興味から、というのもお約束ですし、中盤から終盤にかけての展開もけっこうお約束感が強い。しかしそれだけに、安心して観ていられるのも確か。少しヒヤヒヤさせられつつも、最後に爽快な気分になる。
 しかし何より、採り上げられた“フィッシャーマンズ・フレンズ”の歌が実にいい。テクニックよりも、漁師たちのその時代、その生き方に添った物語や心情を乗せた歌が、思いのほか強烈に響きます。気づけばこちらも魅せられている。衒いはないけれど、だからこそいい気分になれる1本。閉じこもってた憂さ晴らしにはちょうどいい作品でした。

 映画館詣で再開の1本目にここを選んだのは、どーしても映画館並びのラーメン店に足を運びたかったのと、昨日オープンしたばかりのテナントを訪ねたかったから。
 もともとららぽーと豊洲はこの4月に3番目のビルが落成、それに合わせて旧テナントの入れ替えや増床も実施していたのですが、この騒ぎによってすべてオープンが先送りになっていた。こちらも非常事態宣言の解除に合わせて先週ぐらいから順次オープンしていて、その中に新しい書店、有隣堂ららぽーと豊洲店も含まれていた。ここに立ち寄るのも、今日の目的のひとつでした。
 前あった書店は映画館と同じ階のほぼ反対端でしたが、有隣堂は新しいビルの2階に入っている。ただし、ららぽーと同士は2階の渡り廊下で繋がっているので、無駄な上り下りはなしで移動できます。
 ざっと店内を眺めた印象は……ちょっと寂しい。いちおう主立ったものは揃ってますが、棚の数が決して多くないこともあって、私の守備範囲に限って言えば、まだまだ痒いところに手が届かない感じ。カフェを併設してたり、レトルト食品やおつまみの類も販売してたり、オサレにしよう、という努力が窺える……それ故に、私のような人間には微妙に居心地がよくない。
 率直に言えば、私の好みの作りではありませんが、たぶんお店の方向性は悪くないと思う。何せ映画館から移動しやすいのは確かなので、たぶん今後も利用します。とりあえず今日は、買うタイミングを逸していたコミックの新刊と、最近『新説!所JAPAN』でのはしゃぎっぷりが楽しい磯田道史先生の文庫を1冊だけ買って帰りました。
 もちろんラーメンもちゃんと堪能しました……実は先日、我慢できなくなって、いっかいだけ京橋にある本店まで出かけて食べてましたが。でもここの方がもともと座りやすく、ソーシャル・ディタンスを設けるために座席を減らしたり仕切りを設置されたりしてますが、そのお陰でより気兼ねなく食事できるようになってます。ららぽーと豊洲のなかにもまだラーメン店はいくつかあるのは知ってるんですが、きっと私はずっとここを利用し続けると思う。

コメント

  1. […] 原題:“Fisherman’s Friends” / 監督:クリス・フォギン /  […]

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