《M》が裏切った?

 本日は映画鑑賞です。なんかこのところ、気を遣うことが多すぎて出かけるのが億劫ですが、あんまり間隔を空けすぎると禁断症状が出て来そうなので。
 劇場はTOHOシネマズ日本橋。晴れているので自転車で――とも思いましたが、このこのところの暑さは、どれだけ用心しても熱中症になりそうで怖い。自転車で走ってるあいだ、マスクを着用する必要はない、とは言い条、付けたり外したりもめんどーなので、結局電車で行くことに。途中、涼しいのが助かるよね、ね。
 鑑賞したのは、80代になってから第二次世界大戦前後のスパイ容疑で告発された女性の実話をもとに、ジュディ・デンチ主演で映画化したジョーンの秘密』(kino films配給)
 普通の科学者に過ぎなかった女性が、なぜスパイになったのか? を劇中の現代である2000年と彼女が機密に携わった1930年代から終戦後あたりまでの出来事を交互に描いて紐解いていく。“秘密”そのものは見え見えなのですが、なぜ彼女が機密を敵国に流すようになったか、というプロセスをしっかりと辿っているため、彼女の心情が理解できる。当時、ジョーン自身には見えていなかった事実も認めたうえで、彼女なりに世界を憂い、行動を決意した結果なのだ、というのが伝わる。非常にそつのない作りです。戦闘シーンはもとより血腥い駆け引きも描かれていませんが、これもまた、知的階級に賊する女性が臨んだ“戦争”映画と言えるでしょう。
 あまりにもそつがなさ過ぎてもうひとつインパクトを欠くのと、最後の展開が少々急すぎて、たぶん狙っていたような感動に結びついていないのがちょっと物足りないのですが、堅実に組み立てられた佳作。時代と愛情に翻弄される若き日を演じたソフィー・クックソン、僅かな動きで過去と、描かれざるその後の人生も見事に表現するジュディ・デンチ、ふたりのジョーンを演じた女優が何よりも見所です。

 映画鑑賞のあとの昼食は、家に帰って摂ることにしました。TOHOシネマズ日本橋界隈のラーメン店はまあまあ開拓していて、美味しいところが多いのは間違いないんですが、全体的にしょっぱくて、それは今日の気分ではない。なので、とりあえず最寄り駅まで戻り、駅から近いところにあるラーメン店で、まぜそばのテイクアウトを買ってきました。
 ……ここは辛子つけ麺が好きだったところでしてね。少し前に方針転換があってつけ麺はやめてしまいましたが、まぜそばは同じ麺を使っているので、あの感じが楽しめると思って買ってきたんですがね。しっかりと辛くて、家で空調もつけてるのに、どばどば汗流しながら啜ってました。帰りに買ってきた炭酸飲料も、食事が済む頃には空になってましたよ。

コメント

  1. […] 原題:“Red Joan” / 原作:ジェニー・ルーニー / 監督:トレヴァー・ナン /  […]

タイトルとURLをコピーしました