『イップ・マン』では語られなかった、香港の闇。

 こないたも書きましたが、観たい、という作品に予定がうまく合わせられません。都合のいい時間帯にかかるのを待ってたら、行くつもりだった劇場での上映が遂に今週いっぱいで終わってしまう。最近、仕事終わりのひとたちが出てくる夜の上映にはあんまし行きたくなかったものの、19時50分スタートの回しかない、と言われては仕方ない。日中に色々と済ませたうえ、18時過ぎにバイクで出かけました。
 行き先は新宿武蔵野館です。新宿に着くと、まずは腹ごしらえ。前々から名前は知っていたラーメン店を初めて訪問して食べてきました。並んでると間に合わなくなる恐れがあったので、そのときは一蘭あたりに変更するつもりでしたが、あっさり座れて助かりました……先方は大変なのかも知れませんが。けっこう繁盛店として知られてるんだけど。
 いよいよ映画館に移動、鑑賞したのは、ドニー・イェンとアンディ・ラウという、同世代の香港スターが意外にも初共演した作品、1960年代、汚職が深刻だった時代の香港を舞台に、暗黒街の大物と汚職警官の金と欲、それに仁義でなり立った絆をハードに描いたノワール追龍』(INTER FILM配給)
 稼ぐためなら悪事も厭わない、それでいて仲間や家族に対する情は厚い、という男たちが生き抜いた1960年代香港をハードかつスタイリッシュに描いてます。R&Bを採り入れた演出はテンポも良くセンスを感じさせる一方、カンフーではない格闘は泥臭くてヘヴィですが、ちょっと背後関係が悪い意味で込み入りすぎている。敵味方が混沌とするさまを見せたかったのでしょうが、その変遷がいささか乱暴です。最後に判明する繋がりも、強引な印象なので、そこがカタルシスに発展しにくい。
 とはいえ、悪に染まりながらも家族や仲間に対しては誠実であろうとする男たちの熱さと、容赦のないヴァイオレンスは見応えがある。実在した人物をモデルにしているというドニー・イェンとアンディ・ラウが演じたふたりの奇妙な関係性が、終盤までドラマに大きなうねりを作り、それが結実するクライマックスはなかなかいい味わいを醸してます。近年の香港映画としてはシナリオが粗いんですが、その粗さも含めて独特の魅力を放つ作品でした。
 鑑賞後はまっすぐ帰宅。このところ、新宿に来るときのルートが完全に確立したので、だんだん家に着くまでの時間が早くなってる気がします――まだまだCOVID-19の騒動が収まらず、繁華街を外れると交通量も減っているから、というのもあるんでしょうけれど。

コメント

  1. […]  25日の夜、映画鑑賞のついでに、久々にラーメン店を開拓してきました。 […]

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