政治と文化が織りなす狂騒劇。

 今週はほんとに映画館に足を運ぶモチベーションがありません。でも映画は観たい、というわけで、ふたたびNetflixを頼りました。
 夕方から、食事の時間を挟みつつ鑑賞したのは、1968年夏、民主党大会の会場周辺で暴動を起こしたかどで逮捕された8人の裁判を、『ソーシャル・ネットワーク』の脚本家アーロン・ソーキンが監督も兼ねて映画化したシカゴ7裁判』(Netflix配信)。……これも製作途中から情報を仕入れてて、だいぶ楽しみにしてたんですが、けっきょくNetflixに取られてしまったよ。仕方ないので、いつか機会を作るつもりではいたのですよ。
 序盤は思っていたよ演出がけっこうポップ。そして裁判自体も、冒頭陳述が全然進まないなど、かなりの狂騒状態に陥る。しかし、やたらと見解に偏りのある判事や、警察側が仕掛けた罠がどんどん被告側を追い込んでいき、その悪辣さに次第に胸くそが悪くなる。被告側も、反戦の意思こそ共通していても理想や手段にズレがあるが故に決して一枚岩ではなく、およそ悪い条件しか揃ってない。しかし、ここからの終盤のちょっとした驚きと、クライマックスの意外な爽快感が凄い。訴追された彼らの主張や手段には共鳴出来なくても、このクライマックスはちょっとグッと来ます。情報貞二のタイミングを巧みに整理して、サスペンス的な盛り上がりをラストの昂揚感に繋げる演出も巧みで、これは思っていた以上に面白かった。
 ……でもやっぱり映画館で観たかったけど。実は一部でかかってはいたんですが、思うところあって、そこでは観たくなかったもので。

 週末も別の予定が入っているので、今週はほんとーに映画館に行かないまま終わりそうです。再開は来週から。

コメント

  1. […] 原題:“The Trial of the Chicago 7” / 監督&脚本:アーロン・ソーキン /  […]

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