レンタルDVD鑑賞日記その650。

 昨年4月にリリースされた『封印映像 怨送り』を鑑賞。建築物に時たま見られる不自然な代物を撮影していた人物が遭遇した怪異“トマソン”、撮り鉄の男性がとある辺境の駅で目撃した出来事“撮り鉄”、異臭と騒音の報告があった部屋を訪れた業者が残した奇妙な記録“ビニラー”、久々に会った友人との和やかなホームパーティの途中に撮影された怪奇映像からおぞましい事態に発展する“怨送り”の4篇を収録。
 何度か書いてますが、私はフェイクでも、よく出来たものなら付き合いますし、事実として受け止めているふうに感想を書こともしてます。ただ、状況や映像があまりに不自然すぎたり、うまく組み立てられていないと、付き合う気が失せてしまう。
 この巻だと、許せるのは“トマソン”くらいで、ほかの3篇はみな微妙。“撮り鉄”はそもそも記録した映像があまりにも合成感が強すぎますし、“ビニラー”は導入と、問題の部屋に踏み込んだあたりのヴィジョンは面白いものの、終盤の出来事はさすがにヤりすぎだし、あまりにも浮いている。たぶんいちばん力を入れたと思われる表題作に至っては、途中で起きる惨劇の合成がヒドすぎて苦笑いするしかありませんでした。半端にごまかすしか出来ないなら、合成は最小限で済むようにカメラワークを工夫しましょう。
 しかしそれ以前に、表題作はそもそもこういう流れになることがしっくり来ない。このシリーズお馴染みの外国人霊能力者が登場しますが、完全に『ペイフォワード』もどきの呪いの絡繰りを説明するために連れ出された感じ。こういう仕組みなら、当事者や取材スタッフが成り行きに気づく、或いは解き明かすプロセスがないと受け入れにくい。霊能力者の説明と除霊だけでは、完全に安物のエクソシストです――実際、せっかく“怨送り”という面白い設定があるのに、除霊のシーンの方が存在感増しちゃってるし、それ自体も猿芝居が過ぎるし。
 色々と趣向を凝らして、面白い怪奇ドキュメンタリーにしようとしているのは感じるので、決して悪い感情は持ってないんですが、もうちょっとリアリティを増す努力はして欲しい。惜しいのよほんとに。

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