『地獄少女』第十九話 花嫁人形

 施設から名家に嫁いだ少女・いのりは、優れた人形作家である姑からの虐待に苦悩し、遂に地獄通信に復讐を依頼する。やはり今回もその事実を感知したつぐみの言葉を頼りに、柴田は彼女を捜し出すが……

 微妙なところはあるけれど、シリーズのなかでは比較的ましな内容です。動機の設定も情景描写も展開も、定石通りですがそれ故に見応えはありました。出自が修道院の施設で、嫁がされたのが日本の旧態然とした家、そして柴田との密談の場で点灯する“非常口”のランプなど、モチーフのアンバランスさが異様な雰囲気を醸していて、珍しく表現的にもレベルは高め。折笠富美子が声をあてたゲストの健気さ、儚さも秀逸。

 しかしそれなのに……なんで地獄少女の郎党が登場すると急にレベルが下がるのでしょうか。復讐の仕方が安易だし連中が主観的なこと喋りすぎだし簡単にカタがつきすぎだし。シリーズ後半に差し掛かって急に色っぽくなった能登麻美子の口上と、閻魔あいのヴィジュアルだけが救いである、というのはあんまし変わらなかったのでありました……やっぱりダメ連鎖は続いてるなー。

 でもって来週は……とうとう道を踏み外したような気がする、スタッフが。個人的にやっちゃいけないと思っていた筆頭に手をつけたぞ、おい。

コメント

  1. 一人囃子 より:

    今回はいつものキメ科白のときの目の表情が変わっていましたね。
    シリーズ通しての佳境を迎えているのでしょうか。
    予告編のときは、なぜか偶然相方と「エイリアン対プレデター」「ジェイソン対フレディ」などの映画話をしていた瞬間にあのタイトルが流れてきたので……余計に爆笑してしまいました。

  2. tuckf より:

    あら、そこは何故か気づいてませんでした。確かに目を細めてますね。心境の変化でもあったのでしょうか。
    それにつけても次週の内容は……ヤバすぎると思います。他人がパロディとしてやったり、スタッフが本編の枠の外で冗談としてやるぶんにはまだしも、本編のなかでやっちゃいけないことだったような……まあ、それゆえ逆にちょっと楽しみだったりします。どうなるのやら。

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