『ばけばけ』感想&うんちく日誌、その32。(放送第101回~第110回)

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 ヘブンさんフィリピンへの移住騒動、からの節目となるひと幕まで。
 前回触れたように、熊本滞在中のハーン&セツ夫妻についてはあんまし勉強が出来てないので、この辺は知識と重ねて語りづらい。
 しかし、この2週ほどの脚色は、松江篇以上に思案の痕跡が窺える気がします。物書きのインスピレーションはこんなに単純なものではない。著作の発表時期を確認しても、実際のハーンは熊本滞在中にも執筆していたのは間違いない――というか、日本に移住してからの著作がちゃんとまとまり始めたのは熊本滞在以降なので、こんな単純には括れない。だいたい、日本に移住する以前にも、各地の民話を元に著述を重ねていた人なので、こんなにあっさり筆が止まるのは想像がしにくい。でも、ドラマの起伏としてはまったく問題はない。
 そしてそこに、トキがヘブンと家族として暮らし始めても消せずにいた不安が急速に浮上してくる。ヘブンにはトキたちを連れていくことに迷いがあるし、一方のトキは、ヘブンがいつか遠くに行ってしまうかも、という予感を抱きながら、彼に執筆を捨てて欲しくない、という想いとのあいだに翻弄される。お互いや、家族を思いやっていればこその懊悩を静かに描いていた……かと思ったら、最後にこの一家らしいコントになっていて、ものすご~く安心しました。
 ……まあ、それこそハーンとセツ夫妻の経歴を調べていれば、このあたりで第一子の誕生が来るのは解っていた。前の感想で“心配しなくて大丈夫よ”と書いたのはそれ故です。むしろ2週も引っ張るのが意外だったわ。
 第一子誕生を機に、ヘブンさんも遂に日本帰化を決心した模様。そのために、松江の人々が関わってくるのも史実通り。それに伴い、久々の錦織さん登場がサブタイトルでも予告でも明示されてます。個人的にはそれ以上に、ヘブンさんの帰化について、ず~っと思っていたことがあるんですが……まあ黙っておこう。

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