三つ子の魂せいぜい十まで。

爆笑問題☆伝説の天才』という番組で、毎週「この子は天才かも」と感じた親からの投稿VTRを紹介しています。歴史の人物の顔写真と名前がすぐに一致する、マイナーな国であってもその国旗が解る、といった特技を持つ子供が次々と登場するのですが、……果たしてあれは天才と呼んでいいものか。

 小さい頃は好きなものに対する記憶力だけ桁違いに強い、という子供がけっこういるのではないでしょうか。しかし、それはたぶん小さい頃限定の力であり、成長してからも継続するとは限らないのではないでしょうか。なんでこんなことを書くのかというと――私がそうだったらしいから。

 当然のように自分では覚えていないのですが、小さい頃わたしはスーパーカーの名前を完璧に暗記していたらしい。これは何? と訊ねるとすぐに答が返ったようです。

 しかし今の私はなーんも覚えちゃいません。スーパーカーの名前どころか、車にもさして興味がないから車種の名称でさえ必要になるといちいち調べている始末。恐らく、番組で紹介されている子供達もそんなものでしょう。多くは二歳からせいぜい就学までの幼児ですから、あれが小学校高学年ぐらいになったら、逐一暗記していたこと自体思い出せなくなっているに違いない。

 とりあえず、いま暗記に優れた子供をお持ちの皆様。それが長続きするなどとは努々考えないように。間違うと十年後には詰まらない単語ひとつでもしばらく思案しなきゃ絞り出せない人間になっているかも知れません。天才どころの話じゃない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました