家で怖い話をしよう。

 本日のメイン・イベントは、新耳袋トークライブでご一緒したり、先だってはライブのない時期にわざわざ集まって怪談を肴に飲んだ皆さんを私の家にお招きして、怪奇映像などを愛でつつ怪談絡みの話で盛りあがろう、というもの。何せ私の家は広大な墓地が目と鼻の先にあり、怪談をするには理想的な環境なので、こういう機会を設けましょう、と前々から言っていたのです。来週にもライブが控えているし、夏いっぱいはイベントに事欠かず、今を逃すとまた時期を見つけるのが難しくなるので、本日ついに敢行しました。

 私を含めて都合八名、母が作ってくれた料理をつまみつつ、まずは私とN氏が用意したDVDをひととおり鑑賞する。『ほんとにあった呪いのビデオ』というシリーズはここで初めて鑑賞したのですが、これはなかなか出来がいい。N氏が持ってきてくれたのが特にお薦めの一本であることを差し引いても、きちんと肝心の映像で恐怖を盛り上げるように計算された演出がけっこう巧みです。この手のビデオをかなりの本数鑑賞しているN氏推薦だけあって、もし偽物だったとしても賞賛もののネタを二本、オリジナルに近い形で鑑賞出来たのは収穫。実は私にとってはいずれもネット上に流布しているもので鑑賞済だったのですが、きちんと説明があったほうが怖い、というのはよくできている証拠です。私はかつてN氏からもらったデータやその後ネットで拾い集めたものをDVD Videoに加工して披露したのですが、摘みすぎて説明不足のネタが多いうえに、手持ちのソフトの限界もあって画質がかなり悪く、いまいちな仕上がりになってしまったのが残念。

 ひととおり映像を鑑賞したあとは、松本楽志さんら独自に取材を行っている面々が代わる代わるネタを披露して、それを種に盛りあがりました。わざわざ部屋の照明まで落としてみたり。私も実はネタがあって、軽く披露はしたのですが、諸事情から突っ込んで調べる時間も機会もなく、かなり半端になってしまいました。だいたい、そうでなくても現在進行形で奇妙な状況に置かれていて、しかも決して怪談や恐怖体験の類に興味のない人から話を聞き出すのは決して簡単な仕事ではない。何とかしてもーちょっと踏み込んだ取材がしたいところです――それをやったら抜け出せなくなるのは承知のうえで。

 何だかんだで盛況のうちにお開きの時間。当初は早い時間に切り上げる、と仰言っていた某氏も(基本的に実話より創作怪談のほうに興味がある方のはずなのに)結局最後まで居残ってしまったのは、催しとして成功した、と言ってもいいでしょうか。最寄りの駅までお送りし、また夏が過ぎてイベントが少なくなった頃にやりましょう、とお約束して散会する。

 ……ひとりの帰り道が意外と怖かったのはここだけの話。いまにも物陰から「い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛」なんて叫び声を上げて駆け抜けていく奴が現れそうな気がしたのでした……何もなかったけどさ。

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