本日も超のつくスタンダードです。ストックホルム症候群とはなんの関係もない。
調べてみると異様に古い曲で、200年くらい前にスウェーデンで膾炙したそうですが、更に起源はオランダにあるという説もあるとか。それをジャズの曲として演奏したのはスタン・ゲッツで、触発される形でマイルス・デイヴィスがブルー・ノートにて録音したあたりからスタンダードになっていった模様。いま聴いているのはそのブルー・ノート版ではなく、コロンビア移籍後にジョン・コルトレーンと共に演奏したものです。
次第次第に新しい要素を採り入れていって一時期は複雑怪奇になってしまう(晩年になるとポップスを吸収して聴きやすさが増す)マイルスですが、この辺は技術と親しみやすさが調和していて、マニアに言わせるとぬるいのかも知れませんが、聴き心地はいい。そのなかでも、この曲は個人的に特にお気に入りです。スモーキーな肌触りが、ちょうど曇り加減の今日の空模様にも合っている感じ。
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