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シークレット・ストーリー

 パット・メセニー畢生の傑作『シークレット・ストーリー』のオープニングを飾る一曲より。バンドやトリオといった人数・メンバーの制約に縛られることもなく、楽器も考えられる限り様々なものを使用し、随所に豪華なゲストを招いた、メセニーのソロ作品でも特筆すべき力を注いだ作品ですが、もともと彼の失恋経験を反映させた構成であり、多数のミュージシャンを招きながらも私的な雰囲気に満ちた音楽に仕上がっている。グループでの作品に通じる親しみやすさがありながら、一枚通して聴くとまるで映画を観たあとのような感動が押し寄せてくる、真の名作であり、プロローグでもあるこの曲は、不思議なコーラスとメセニーのギター・ソロが厳粛な空気を伝える佳曲です。

 しかし、こんなにいいアルバムなのに、現在amazonではユーズドしか扱ってない……先日、Geffen移籍後初の作品『SONG X』が未発表曲を足してワーナー(Nonsuch)から再リリースされたことから推すと、Geffen所属時代のアルバムを手直ししたりトラックを追加したりして出し直す計画が進んでいるからかも知れませんが、ちょっと悲しい。

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