とりあえずこれで最終回のプレイ日記、自称宇宙人の女の子るーこことルーシー・マリア・ミソラ攻略編。
これもやたら濃すぎるキャラクターゆえに花梨に続いて苦手意識があったため最後まで見送っていたのですが、序盤はともかく、親しくなってからの展開はなかなか心地よかった。まるで価値観の違う人間が、互いに妥協点を見出しつつ心を寄せ合っていく過程が丁寧に、厭味なく描かれているのに好感を抱きます。昨日も書いた通り、自身のシナリオではアクの強さばかりが際立っていた花梨が、このエピソードの終盤では“いい友人代表”として主人公の心の支えになっていることも特筆しておきたい。個人的には花梨とるーこのシナリオを絡めて膨らませることも可能だったのでは、とちょっと勿体なく思いましたが。ある意味予想の範囲内のオチは、描写の回収が不充分で充分なカタルシスに繋がっていないのが惜しまれますが、全体としては不満の少ない出来。
で、これを以てひととおり終了。全体通して、想像していたよりも遥かにいい出来でした。如何せん第一作が強烈に記憶に残っているために、スタッフが入れ替わっているなかでどれだけあの雰囲気を踏襲できるのかが不安材料でしたが、そのハードルは見事に乗り越えています。もともと第一作にしたところで、完璧さよりも随所に空いた穴がプレイヤーに想像の余地を残したことによって魅力を膨らませていた感があり、意地になってシナリオを突き詰めたりせずに、ある程度ゆとりをもって話を構築していったことが奏功したのでしょう。それにしてももうちょっと掘り下げて欲しかったと感じる幼馴染みふたりや笹森花梨、反対に詰め込みすぎて他のキャラクターとの均衡を崩してしまっている姫百合姉妹や久寿川ささらなど、バランスの悪さも目立ちますが、トータルではかなり堪能できる一本でした。
あとは「違和感を感じる」「うなづく」といった奇妙な日本語で統一しているあたりや、折角名前の変更が出来るように工夫したにも拘わらず、文章上でデフォルトのまま表記してしまったり、たとえば「ひ、ひがしさん」みたいに*1口籠もったり吃ったりという場面での調整が行われていなかったり、逆に画面上ではちゃんと調整してあるのに読み上げはデフォルトの名前のまま、という場面がかなり目立ってしまっている、という欠点があります。リメイクということを考えるともっと丁寧に調整をして欲しかったところですが、まあ現実問題としていくら必死にやったとしても取りきれないのが誤字脱字だったりするので、まあ致し方のないところでしょう。
第一作を乗り越えるところまでは達していませんが、雰囲気は踏襲して新しい方向にも果敢に挑戦を試みた、充分楽しめる作品だと思います。エッチシーンも全体に濃密なので、その点も満足。美味しゅうございました。
*1:名前のチョイスに意味はない。
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