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もんじゃ焼き、というと咄嗟にこの曲が頭に浮かびます。「もんじゃ焼きのコツ忘れちゃいませんよ/カルメ焼き冷やすより易しかったもの」という歌詞があるから。同窓会にて、恩師を相手に思い出話をする、という体裁を取ったこの曲は、長崎から単身上京して下宿しながら少年時代を過ごしたさだまさし自身の記憶を反映しているのだそうです。ただ、曲中にて銭湯で好きな子の出席番号と同じ下駄箱が空くまで入らなかった、という箇所があるのですが、これは友人ではなく本人だった、という説もあり、細かく虚実が交えてあるようです。
ちなみにこの曲、さだまさしの語りから入るという特殊な作りをしております。「先生、俺達の木造校舎/すっかりなくなっちまったんですねェ」という台詞を受けて初めてバンドの演奏が始まるのですが、20年くらい前、トークのネタとして、バンドメンバーとのあいだで“社長に対してお追従を繰り返し、適当なことを言う部下”というコントもどきが流行っている、というものがあり、あるとき、このネタの直後に『木根川橋』を歌おうとしたところ、うっかり冒頭を「社長」にしてしまったため、バンドもお客も全員コけた。これを受けて、「社長、俺達の会社/すっかりなくなっちまったんですねェ」という歌詞から始まる『木根川橋(社長編)』なる別ヴァージョンが作られているのですが、原曲と続けて聴くと非常に笑えます――さだまさしという人は、トークのネタがこういう感じに発展していくので、余計にタネが尽きない、という有様になっているようです。
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