レンタルDVD鑑賞日記その416。

  • 『ほんとにあった!呪いのビデオ59』(BROADWAY[発売])

 けっきょく3作ぜんぶ店舗レンタルで済ませてしまった、毎年夏恒例の3部作完結編。遂に“呪いのビデオ”を入手することに成功した『邪心 後編』、廃墟で発見されたテープとそれにまつわる怪異『テープ』などを収録。

 3部作続けて鑑賞して感じたのは……菊池くんにはまだ荷が重いんじゃないかしら、ということでした。とにかく3部作の締め括りが実に雑。これまでの連作と似たような展開が一部に見られますが、だからこそ細部の詰めの甘さが目立ってます。けっきょく“死神”は誰? これで本当に終わった、と言えるの? っていうか、そもそも途中で入手した“呪いのビデオ”というのは本物なの? 観たら不幸が訪れる、と言われる映像そのものなのか、ちゃんと検証や確認をしたの? したうえであんな真ん中あたりに入れる、っていう暴挙を働いたの?!

 あまりに追求が足りず、全体像がぼやけているので、それ故にこわい、という捉え方も出来ますが、追求が難しい、というのではなく切り口が一部しかないからそうなっている、というのが明白なので、モヤモヤ感のほうが強い。すっかり恒例となった連作ですが、ここしばらくでいちばんの失敗作かも知れません。

 それでも単品のネタが良質ならまだ取り戻しようもあるんですが、そっちも「採りあげたものがなぜかみんな似たような感じ」という、こういう怪奇ドキュメンタリーでいちばんやっちゃいけないミスを犯している。それをやるなら、まとめたときに意味が出て来る場合に限ったほうがいい。連作とも特に絡んでいませんし、改めて菊池演出の技倆不足を顕わにしただけ、という印象でした。

 前任者の岩澤宏樹も、その前の児玉和土も、更にその前の演出もけっこう怪奇ドキュメンタリーの世界に留まっているようですから、正直なところ、時々戻ってきて演出を代わり、菊池くんをもうしばらく修行に送り出すほうがいいような気がします……。

コメント

タイトルとURLをコピーしました