レンタルDVD鑑賞日記その435。

『闇動画』シリーズのスピンオフ第3弾です。……調べてみたら前巻の感想書いてませんでしたけど、まあいいか。

 しかし今回は非常に上出来でした。もともと『ほん呪』の系譜に連なるシリーズなんですが、今回その理想的な仕上がりを見せている。映像自体はちょっと微妙ではないか、とか不自然じゃないか、という疑いを抱かせても、ドキュメンタリー部分の異様さがそれを圧倒する。

 特にこの巻は、幾つもの異様なモチーフが連なった巻末の“池”もさることながら、途中に収録された“ロケハン”が素晴らしい。やっぱり映像自体は微妙、というか内容的に有り体なんですが、ドキュメンタリーで明かされる過程がもう怪談そのものなのです。当事者ですら気づかなかった状況の異様さを炙り出す過程は、正直このところの『ほん呪』長篇よりも強烈でした。

  • 『Not Found外伝 −いま、霊に会いにゆきます−』(アムモ98)

 こちらは順調に巻を重ねているシリーズの特別篇。短期間で長尺の作品を、と会社から要求されたスタッフが、“自分は幽霊だ”と自称する男に接触して起きる奇妙な事件。

 まあ、オチ自体はそんなに悪かないんですが……この前の16巻といい、私にはこれの演出がただのバカにしか見えません。あんた、16巻で杉本演出補が持ってきた“小さいおじさん”の話を詳しく知らないくせに一笑に付そうとしたよな? なのに「自分は幽霊だ」と名乗る胡散臭さを通り越して正気を疑う話にどーして付き合うの? 確かに2週間というとんでもない短期間で作品を用意しろ、と言われたら追い込まれるのは当然でしょうが、それにしたって姿勢がブレ過ぎているし、作中の言動にまったく思慮というものを感じない。

 ここしばらくの流れは、いつの間にかシリーズの主役にまで成長してしまった杉本演出補に嫉妬して、演出が自らを押しだそうとした結果、ただ単に頭の悪さを曝け出しているだけにしか見えません。まあ、ある意味それも面白いといや面白いんですが、そもそも“怪奇ドキュメンタリー”の面白さではいっさいない、ということを自覚して欲しい。せめて“怪奇”の部分をもーちょっと際立たせてください。

 そういえばこのあいだ、ビデオパスに『封印映像』シリーズが加わった、と欣喜雀躍しておりましたが、調べてみたら更に嬉しいことに、『ほんとうに映った!監死カメラ』もラインナップに加わっておりました。

 この『〜監死カメラ』もまた『ほん呪』スタッフが関わってますが、特に第3巻は『ほん呪』の良作にも劣らない傑作エピソードが収録されている。久々に鑑賞して、改めてその凄まじさに痺れました。

 ビデオパスに加入していてもあんまり観るものがない、とお嘆きの方、とりあえず『封印映像』初期あたりと『監死カメラ』だけでもご覧ください。怪奇ドキュメンタリー好きなら、という注意は添えねばなりませんが、けっこうお腹いっぱいになります。

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