本当に駆け込み鑑賞です。

 今月はほんとーに映画を観に行く余裕がなかった。なさすぎて、観たかった映画がどんどん終わっていく。依然として決して余裕はないんですが、かといって動かないと、特に観たかった映画を見落としてしまうので、2日連続ですが夕方から出かけてきました。

 今日の映画館は久々のTOHOシネマズ日劇です。鑑賞したのは、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督最新作、西部開拓時代に実際にあった出来事をベースに、瀕死の重傷を負いながらも、我が子を殺した男への復讐心で復活する男のサヴァイヴァルを描き、レオナルド・ダ・ヴィンチに悲願のオスカーをもたらしたレヴェナント 蘇えりし者』(20世紀フォックス配給)

 まあこのスタッフでつまらないはずがない。展開は要約したそのまんまですが、プロセスの説得力はもちろん、自然光のみで撮影した映像の臨場感が圧巻。3年連続で撮影部門賞を獲得したエマニュエル・ルベツキのほとんど神懸かりと言っていい映像だけでも見応えがありますが、そうした場面を撮影するために費やした努力が、本篇の途方もない迫力を生み出している。開拓時代、先住民たちとの戦闘、といったモチーフは西部劇のラインをなぞっていますが、娯楽に昇華された西部劇では描ききれなかった泥臭さをとことん抽出したような傑作でした。ただまあ、個人的にはこれでオスカーを獲れるなら他の作品でも充分だったよねディカプリオ、とも思いましたけど。『アビエイター』あたりでも良かったのだ。ともあれ、座席の間隔の狭さを我慢して、いちばん大きいスクリーンでかかっていたここで鑑賞して正解でした。

 ちなみにこの作品は本日で、少なくとも私がよく行く劇場では上映終了です。完全に、“俺ちゃん”に押し出された格好です。まあ確かにあっちの方が動員は期待できそうですけどあからさますぎやしないだろうか。日劇なんて、最大規模のスクリーン1でかかっているのに撤退する、という不思議な構図になってますし。撮影のトーンが独特で、恐らく性能の低い家庭用テレビだとその醍醐味は充分に味わえないので、まだ近くの劇場でかかっている、という方は是非大きなスクリーンでご鑑賞ください。

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