- 『封印映像24 続・ひとりかくれんぼ』(At entertainment)
この夏は劇場版も公開されている『封印映像』シリーズ、今月リリースの最新巻。久々に実家に帰った男性が目撃した異変“親孝行”、第4巻で触れ、その後も追跡捜査を重ねている“練炭自殺の女 再取材編”、20年前に撮影された怪奇映像を巡る“元カノに憑いた霊”など5篇を収録。
『ほん呪』インスパイアものでは他のどのシリーズよりも原点に近いスタイルを維持していたこのシリーズ、しかしここに来て、霊能者に外国人を招いたり、過去の映像についての追跡取材を頻繁に採り入れたり、と、ドキュメンタリーとしてのスタイルは保ちながらも、このシリーズならではの組み立てを意識している印象があります。
今巻はそのなかでも、印象の強かった“練炭自殺の女”や、都市伝説として流布する儀式を呪いとして応用したのでは? という推測がなされていた“ひとりかくれんぼ”の、ふたつの後日談を紹介している。解決させる、というよりも謎が深まっている感はありますが、興味深い。
個人的に今回、白眉として挙げたいのは“元カノに憑いた霊”です。ぶっちゃけ、スタッフの迂闊さがトラブルを招いているのですが、このシリーズのような怪奇ドキュメンタリーが陥りかねない危険に言及している、という点ではけっこう重要。演出補の彼も迂闊ですけど、ディレクターも自分の軽率を戒めましょうね。
シリーズ旧作を観たほうがより楽しめる、というのはマイナス要素にもなりかねませんが、少なくともずっと追いかけている者としては充分に見応えのある巻でした。ここに来て調子を上げているのは嬉しい限り。
ちなみに続く25巻、26巻は劇場公開作品――回数限定なので、単に箔をつけただけ、という気もしますけど、今巻の仕上がりだと、けっこう期待していいのでは。次も早めに鑑賞します。
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