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今年6月リリース、『封印映像35 心霊パパラッチ』。心霊スポットでの冒涜的な振る舞いを撮影していた男の最後の記録“心霊パパラッチ”、ハイキング途中でのプロポーズを撮影しようとして記録された異変“泥の人”、取り壊し前のビル内の点検をしていたひとびとが遭遇した怪異“帰れなかった霊体”、とある奇妙な噂のある山中の公園で学生達が撮影した“ボウボウ”の4篇を収録。
異常なペースでリリースしていたこのシリーズ、レベルがどんどん落ちていくんじゃないか、と危惧していたら、今回はけっこう楽しめました……まあ、相変わらず掘り下げ方が足りなかったり、情報の提示の仕方がおかしくて不自然になってる箇所があったりしますが、こういう怪奇映像ものの定石を辿りつつも、けっこう特殊な展開が待ち受けているのです。
最後の展開が乱暴すぎる表題作や、現象がうまく繋がっていかない“泥の人”はちょっと苦笑いが漏れますが、個人的に評価したいのは“ボウボウ”。謎の民俗学者が得々と語っている内容とは関わりなく、まるで狐や狸に化かされた類の話になっている。こういう話はあまり怪奇ドキュメンタリーでお目にかかったことがないので、個人的にはこの1本だけで観る甲斐はあった、と思ってます……展開や、その背景をあんまり考えてないっぽい取材の仕方は引っかかりますけど。
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