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緊縮財政でも押さえないわけにはいかない、さだまさしの1年振りニューアルバムです。今回は全曲、さだまさし自身のギター演奏を採り入れ、かなり生身に近い音作りをしている感じ。早速ふた廻りほど聴きましたが……いいです。
自身の新作短篇のテーマ曲という位置づけで作られた『片恋』、戦争を意外な角度で描いた『何もなかった』、井伏鱒二の詩に曲をつけた『つくだ煮の小魚』など、独特の着想で作られた曲が多く並ぶ中で、特に異彩を放つのが見出しに引いた7曲目です。SoftbankのCMのアレを思い出させますが、詩は人間の先入観や思い上がりを叱りとばすもの。短調の旋律を力強い声で歌いあげていて、けっこうな迫力があります――しかし無関係だと言われても、頭の中に北大路欣也の声が響いてきてしまうのは致し方ない。さっきまで『絶対零度』観てたし。
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