心が不安定になります(褒め言葉)。[レンタルDVD鑑賞日記その753]

 昨年11月リリースの『呪われた心霊動画XXX NEO_11』を鑑賞。夜ごとに聴こえてくる旋律の正体を探ろうとした投稿者の体験した恐怖“夜のメロディ”、撮影者以外誰もいないはずのキャンプ場で記録された怪異“ソロキャンプ”、軽音楽部に伝わる不気味なメロディを巡るエピソード“彼ノ世の曲”など、全5篇を収録。
 ほんとうに、いまホラーとして素直に愉しめる怪奇ドキュメンタリーはこのシリーズくらいになってしまいました。現実にあり得るか? というくらい壮絶な怪異と影響が、別の投稿者からの映像で繋がっていく、それを何巻も続けられるというのが不自然極まりないんですが、これだけちゃんと面白ければ文句はない、少なくとも私は。
 今回は全般に“音”が絡んでくるのが特徴的。冒頭の“夜のメロディ”は、肝心の部分で展開が安易に流れた気がしましたが、“シンガロング”、“彼ノ世の曲”の繋がりと展開はなかなかに秀逸。そして最後に聴けるメロディの不穏さも見事……しかしえらい覚えづらく歌いづらい曲で、よくこれを一部とは言え踏襲してたよね。
 映像それ自体は、割りと安易で乱暴な作りなんですが、シチュエーションの異様さとドキュメンタリー部分による怖さの増幅で、このジャンルとしてはトップランナーの立ち位置を確立した気がします。最後にいちばんヤバいのをぶっ込んでくる――わりには観続けても特になんか影響があったわけではない、とはいえ、この観ているあいだの薄気味悪さ、観終わってからの不安定な感覚は秀逸。

 ……ところで、“夜のメロディ”に紛れ込む奇妙な人影、決めポーズしているときのCOWCOWの善しのほうに見えませんか。少なくとも私にはそー思えてしまって、そこから怖さが半減しました。なら書くなよ。

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