本日の見出し

フレンズ

 これもまた、たまーに聴きたくて仕方がなくなるのに、埋もれて手出しが出来なくなっていたもののひとつ。チック・コリア1978年の作品で、同時期に活動していたRTFとは趣を変えてアコースティックに特化、完璧主義からはやや離れてリラックスした演奏を披露し、グラミー賞にも輝いた一枚。クオリティでは『浪漫の騎士』などを推しますが、チック・コリアのアルバムでどれがいちばん好きか、と訊かれたら、たぶんこっちを選びます。

 わりとゆったりした曲の多いなかで唯一、ラテン系の躍動感に満ちあふれた曲想で作られているのが見出しに引用したこれです。堅実なベース・ラインに煽りたてるようなドラム、柔らかくもカラフルな演奏を披露するサックスを従えて、相変わらずの超絶技巧のソロを聴かせるチックですが、しかし他のアルバムよりも肩の力の抜けた印象で、窮屈さがない。最近の思索的な作風も嫌いではありませんが、やっぱりリラックスして聴けるというのも大事なのですよ。

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