某所で某氏と同時にスタートしてリアルタイムで言いたいことを書いておく、という企画をやるために、とりあえず手をつけました。冒頭、世界観説明のあたりまで。
……んー、無理が多い。冒頭、駅前でやたらとハイテンションなやり取りが繰り広げられ、ここだけで“謎のブルマ少女”、幼馴染みの早坂恋水(れみ)、そしてLass作品皆勤賞の“奈々子商法”こと千神奈々子の三人と偶然出会う、というのは狙っているにしてもやりすぎ。時間を前後させたり。タライを落とすなどの過剰な演出をしたりと色々遊んでいますが、こういうAVGの呼吸に合わないのでテンポを崩しているだけです。とりあえず転校直後のところまで遊んでみましたが、世界観と実情とのすり合わせにも微妙なところがあって、全体に噛み合っていません。
物書きとしていちばん引っかかったのは、テキストウインドウに振り仮名が添えられるシステムを用意しているのですが、「回転る」と書いて「まわる」と読ませるようなどうでもいい工夫に拘って、もっと重視するべき人名に初出時に振らない、という配慮の雑さ。プレイヤー・キャラクターにも音声が収録されているため、彼が読んでくれるからいいだろう、程度に考えていたのだとしたらやはり甘すぎる。音声なしで遊ぶ人もいるでしょうし、だいいちシステムで主人公の音声をミュートにすることが出来るのですから、テキストでひととおり理解できる配慮は最低限必要です。ていうか、率直に言って主人公の声は聴き取りづらいし感情移入するうえでも邪魔なので、私自身が早々にミュートにしてしまいました。兎に角配慮がなってない。
この点は箱・マニュアルも同様で、不親切が多い。外箱のスペック表に、必要とするハードディスク空き容量が記されておらず、ではマニュアルに書いてあるかと思えばこちらにもなく、具体的な数値が表示されるのは何とインストール後に表示される“Readme.txt”が初めて、というのはもう言語道断に酷い。そしてマニュアルにある登場人物紹介にも、読みづらい名前が多いにも拘わらず振り仮名はほとんどなし。
まだゲームの本編にも入っていないという段階ですが、それ以前のところで悪印象を齎すものが多すぎます。シナリオ担当のおひとりが知らない方ではないがゆえに見方がきつくなっているのも否定しませんが、それを差し引いても第一印象は良くない。箱やマニュアルのデザインに凝る前に、プレイヤーが心地よく遊べる状況をまず整えることに注意を払ってください。物語としては面白くなりそうな要素が色々とあるので、私は継続して遊びますが、短気な人はもうこの段階で手を止めても不思議じゃないぞ。
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