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昨年11月リリースの『心霊~パンデミック~フェイズ13』を鑑賞しました。異界に繋がると言われるトンネルに赴いた若者たちが遭遇する怪異“ふりそそぐ”、ラブドールを自分の妻と称してその生活をアップしていた男性の最後の記録“あいする”、謎のチケットに誘われるがまま赴いたアパートで異様な出来事を目撃する“あの世への招待”前後篇など6篇を収録。
初期はかなり面白かったこのシリーズですが、最近はすっかり低迷してます……何度も言いますが、私は内容が面白い、とか説得力のあるものなら、別にフェイクでも構わないのです。しかし筋道が立ってなかったり、どう考えてもフェイク以外の何ものでもない、というのが見え見えの作りはあまり許せない。
このシリーズは最初の頃から、あえて最後まで見せずに投げ出して終わることで、不穏な余韻を残す演出をする傾向にありました。現在もそれを踏襲している、といえば聞こえはいいですが、それ以上探りようのないことを放り出すならまだしも、映像の性質上、そのあとの出来事が記録されていても不思議ではない、取材すれば解るようなことを放置するのは、単にイライラさせられるだけです。この巻に収録されたエピソードすべてがこのパターンに陥っているのにはさすがにちょっと呆れる。
この、凝っているようでいて手抜きにしか思えない作りは長篇“あの世への招待”も同様。怪奇ドキュメンタリーでもちょっと珍しい要素が出てくるのには興味をそそられるものの、掘り下げは出来ていないし、何よりラストの投げっぱなし感が酷い。スタッフの徳丸は自身の反応を“達観”と表現してますが、視聴者にはただ「仕事してないだけ」に見えてるぞ。
いちおう“作る気”は感じるので、切ろうとまでは思わないんですが……でももうちょっとちゃんと作らないとシリーズ継続は危ういと思う。とりあえず徳丸の性根は叩き直した方がいいよ。たとえキャラクターであっても。
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