本日の見出し&お買い物

  1. パット・メセニー『オーケストリオン・プロジェクト』(eagle visionWARNER MUSIC JAPANBlu-ray Disc) [amazon|DVD Video:amazon]

 きのうに続いてブルーレイのお買い物です。しかしこれはどーしても押さえたかったので致し方ない。ギター、ベース、ドラムスにマリンバなど、多くの楽器を演奏者ひとりの意志によって同時に自動演奏できるシステム“オーケストリオン”によって製作されたアルバムをひっさげた世界ツアーのあと、このシステムを収納するため倉庫代わりに利用していた改装中の教会にて、アルバム収録曲の他メセニー自身の楽曲を演奏、その様子を収めた映像版です。アルバムの告知にて一部の演奏風景などは確認出来たものの、可能ならばたっぷりと鑑賞したい、と思っていた私には待望の1枚でした。この演奏の音源のみを抽出した2枚組スタジオ・ライヴ盤も来年に発売されますが、それはそれ。

 で、さっそくひととおり鑑賞。自動演奏、というだけあって、ほとんどの曲でメセニーはギターだけ弾いているように見えるのですが、しかしこのシステムの凄味が解るのは、見出しにも引いた“Improvisation #2”というナンバーです。

 題名通りの即興演奏、ですが、それ故にどうやってこの楽器を自在にコントロールするのか、という過程がだいぶ見えてきました。メセニーの足許には無数のペダルが並んでいて、まずメセニーはこのペダルのひとつを踏みながら、即興でギターを爪弾く。すると、ペダルに対応した楽器が、たったいまメセニーが演奏したフレーズを反復し始める。今度は別のペダルを踏み、また新しいフレーズを重ねていく。これを繰り返していくうちに、気づけばはじめから譜面を用意してあったかのようなアンサンブルが出来ている――およそ即興とは思えない演奏に、見ていて鳥肌が立つほどでした。

 基本的に演奏風景と、成り立ちについて語ったインタビュー映像などが収録されているだけですが、これはメセニーや一風変わった音楽を愛する向きのみならず、発明であったり、作り手の美学が感じられる工芸品に魅せられるようなひとなら、非常に興味深い作品だと思います。気になったひとは買え――とまでは申しませんが、いちど観ておいて損はない。これから大晦日までみっっっちり作業を続ける予定ですが、そのあいだのBGVとして堪能させていただくつもり……うっかり見入ってしまいそうなのが怖いんですけど。

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