“冥銭”って言っちゃってるしなあ。[レンタルDVD鑑賞日記その812]

 4月22日に、2022年8月リリースの『心霊~パンデミック~ フェイズ25』を鑑賞。深夜のドライブ中に遭遇したあり得ない出来事《くるまいす》、ノイズ系の音楽制作が趣味の投稿者が新しい機材を試しているときに起きた異変《れいのこえ》、美大生が課題のためにある場所を撮っていたときに映り込んだ怪異が思わぬ事態へと発展する前後篇《たどる》など、全篇を収録。
 ……まず訊きたいのだが、“ろくせんもん”って何? “六文銭”なら知ってるんだが、“ろくせんもん”、それも字を“六銭門”と書くパターンは検索をかけても出て来なかった。本篇中の意味合いからしても、意味は明らかに“六文銭”のそれだったし、なんでこの文字、この読みになったのか。三途の川の渡し賃として渡すのが一銭だった、というふうに勘違いしたにしたって、調べてみれば古銭の一銭はそんなかたちしてなかった、とかそもそも現代において古銭をそのまんま六文銭にしない、なんてのは調べてみれば解ると思うんだけど。フェイクであろうとリアルであろうと調査不足、としか言えない内容に、ひたすらモヤモヤします。
 尤も、調べが甘い詰めが甘い、というのはこのシリーズに一貫した欠点ではある。背景が込み入ってくるほどにその傾向は顕著になっていて、長篇《たどる》も同じ轍を踏んでます。導入がちょっと凝っているのは面白いのに、そこから派生する出来事に対して、スタッフが特に深い考えもなく動いているので、観ている方はピンと来ないままですし、決着もついたのかついてないのか、と微妙な印象になる。
 そして相変わらず徳丸が酷い。《たどる》後編での振る舞いが最たるものですが、前編で、借り物のカメラを雑に扱っているのに無茶苦茶苛々します。確かにあなた方はもうフィルムカメラの世代ではないかも知れないが、こういう仕事してるなら色々と察しはつくでしょうし、素人なら尚更安易に扱ってはいけない、とわきまえろ。ときどき部下に偉そうに説教してますが、このひとがいちばん駄目……フェイクとは思っているので、本人を責めるつもりはありませんが、こんなキャラにした演出はちゃんと責任取ろうね。
 ただ、《くるまいす》や《ボトルメール》、《れいのこえ》は決して嫌いではない。怪奇映像の仕上がりに不満はあるものの、スタッフが容喙せず、過剰に掘り下げもしないので、わりと素直に不気味がっていられます。特に《ボトルメール》、あまりにも空気を読んだ素晴らしい“出没”ぶりに笑ってしまいますが、シチュエーションはいい。最後の、投稿者の苛立ちの混ざったような訴えも効いている。

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