映ってる人、無事ですか。[レンタルDVD鑑賞日記その880]

心霊曼邪羅12(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 8月11日に、2018年11月リリースの『心霊曼邪羅12』を鑑賞。地元で有名な心霊スポットを訪ねたカップルを襲う恐怖《指差す女》、デート中、公園に点々と残された血痕をおった顛末《血の跡を辿って》、捨てられた子猫を拾うために向かった公園で、恐るべきものを発見してしまう《血塗れの残骸》など、全11篇を収録。
 相変わらず、色々と工夫を凝らそうとしていることは窺えるけれど、それでも12巻でもう限界が来ている感じ。
 先行する巻でもその傾向はありましたが、撮影されてるのが明らかに犯罪、何なら撮影者も与しているのに、そこに言及がないことが引っかかります。こと、今巻の《返り血の憑物》なんか、明白に暴行傷害事件なのに、直接の犯人やそれを咎めない撮影者、そして被害者のその後についてまっったく言及していないのは不自然すぎる。撮影者自らスタッフに提供したのでなくても、映像がスタッフの手許に届いた経緯でさえ、何らかの怪異がある可能性だってあるのに、ろくに触れていないのはさすがに姿勢としてどうなのか。
 肝心の怪異は相変わらず、カメラアングルが変わった直後に被写体の背後に異様な顔や人影が、というパターンが大半。まずこのパターン化からどうにかしてくれ、と訴えたいけど、次第に、シチュエーションの工夫が締め括りとしても恐怖としても微妙なところに収まる傾向があるのがとてももったいない。《指差す女》の怪異における趣向は、直前からの展開や見た目が印象的、かつ何かを示唆している気配もあって、観る側の興味を引くのに、ナレーションでそこにまったく触れていないため、怖さより物足りなさが勝ってしまう。《血の跡を辿って》なんか、導入はいいし、終盤の展開もおぞましいのに、いつもとおんなじような怪異が撮影されて却って台無しにしている感すらある。この状況で何か起きるなら別のことであって欲しい。そして、そもそも恋人さんは無事なのかい? かつて何が起きたか、よりも現実の被害がどうなったのか触れてください。
 巻を重ねるごとに、だんだんピントがズレてきている気がします。撮影された経緯も結末も、ぜんぶまるっと無視していいものではないのよ。

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