貞子がいっぱい。[レンタルDVD鑑賞日記その903]

ほんとにあった!呪いの動画(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 4月12日に、2013年2月リリースの『ほんとにあった!呪いの動画』を鑑賞……感想を書くタイミングをず~っと逸してました。娘が撮影したビデオに、まるで『リング』の貞子を彷彿とさせるものが映っていた、という情報をきっかけに、スタッフはそのビデオの背景を調査し始め、やがて本当の“呪いの動画”に辿り着いていく。きっかけとなった動画を筆頭に、共通項のある投稿映像も複数紹介している。
 昨年、なんでか第2作を借りてしまって、果たして1作目は観たのか、が気になり、その後にリストに追加しておいた1作目です。かいつまんだ内容は2作目でも触れられているので、なーんとなく見覚えがあったんだろうな、とは思ってましたが……想像以上にがっつり観てた。レンタルの記録には残ってないので、たぶん配信で観たんだろうな。
 終始微妙だった2作目と比べて、怪奇ドキュメンタリーとして遥かに見応えがあるのは、『ほんとにあった!呪いのビデオ』に参加していたスタッフががっつりと手懸けているからでしょう。しかも、児玉和土演出より前、シリーズのスタイルを完成させた福田陽平と坂本一雪が中心となっているので、かなり安定感がある――っていうか、きっかけとなるメールの文章に“~のビデオ製作委員会”という文字が見えているあたり、状況としては、現物の映像が含まれていないため、あちらでは扱えなかった題材を、別会社で採り上げた、みたいなスタンスなのかも知れません。
 その後に多く生まれた名作とは比べるべくもないですが、本篇でもっとも尺を多く割かれている題材は紛れもなく“呪いの動画”です。別の映像を観たことで影響を受けて拡散していったような展開、もし動画のせいだとすれば深刻すぎる影響を受けた被害者も存在している。スタッフが懸命に追求した結果、まさに『リング』を彷彿とさせる背景が明らかになり、すべての端緒となった可能性のある映像が発見される。
 途中で似たようなものが映り込む映像も紹介しつつ、ドラマティックな展開を記録しており、怪奇ドキュメンタリーとしては堂々たる仕上がり……なんだけど、より強烈で、インパクトの強い動画やドキュメンタリーを色々と見てきてしまった目には、色々と物足りないし、怖さもいまひとつ足りない。もしかしたら映像の被害者かも知れない、という人物の状況はだいぶ痛ましいんですが、かと言って、影響の出方も拡散の仕方も法則性を感じにくいので、観ているこちらにまで被害が及びそうな怖さも感じにくい――そもそもこちらが、スタッフの推測した条件に合わない人間であることを差し引いても。
 作り自体は堂々としていてリアリティがありますし、明らかに不出来な続篇とは雲泥の差がありますが、今となっては本篇も物足りない。美化し過ぎちゃったかな。

コメント

タイトルとURLをコピーしました