1月25日に、2020年5月リリースの『心霊曼邪羅23』を鑑賞。《》、《》、《》など、全篇を収録。
冒頭に“原点回帰”なんて文言があって、いや~な予感はしましたが……確かに原点回帰でしたよ、悪い意味で。
エンドロールによれば、ディレクターとしていつもと違う方の名前が挙がっていて、もしかして代替わりする予定なのか、或いは元々の演出担当が別の案件にかかっていた故の一時的な編成かも知れません……が、観る側にとっては知ったこっちゃない。ちょっと甘く見るにしても、微妙な出来であることは変わりません。
やたらと人が急に映りこむという展開が多すぎるし、映りこむのを一瞬にしたいが故のわざとらしいカメラ移動があるのも素人っぽい。
というか、これはどこの怪奇ドキュメンタリーでもそういう傾向はありますが、撮影しているカメラが不気味なものを捉えたとしても、一気に画角から外れるほどカメラを振ることはあんまりありません。こういうとき、動くのはカメラではなく人間です。映ったものがフレームアウトすることもありますが、その場合も、反応として動きが不自然だと、違和感に繋がってしまう。
とりわけこの作品の《》は悪い例の典型と言っていい。通常の目線からカメラを下ろして足許を映し、足のあいだにあんなものが映ったとして、このとき動くのはカメラではなく、撮影者本人です。だって、下にいるのが何であるにせよ、あの位置関係なら、踏んでいるか跨がっている状態になる。通常は、その状態を解消すべく、自分が飛び退く。そしてその次に、何かがあったであろう場所を撮し、何もないことに気づいて、それなりの反応をするものです。足を動かさず、カメラだけいちど振って、また元の位置を撮す、というのはだいぶ変。仮に、映りこんだものに足を押さえられていたとしても、カメラが動かせるくらいには身体の自由は利くわけですから、足許の違和感に反応するなり、逃げようとして態勢を崩すなり、もうひとつリアクションがあるべき。
私は、基本的にはフェイクでいいのです。ただ、ドキュメンタリーや投稿映像と称して出すのなら、展開や反応に真実味が欲しい。怪異がどれほどいかがわしくても、異様すぎたとしても、それだけで全然質は変わるのです。どうせ“原点回帰”と掲げるなら、作りはシリーズの原点に戻るとしても、出来映えまで初期の稚拙さを再現せず、レベルを上げて欲しい……まあ、1本前の、確かもともとの演出担当が手懸けた作品も、眉をひそめる程度の出来ですから、急にレベルアップしても不自然……なのか?
なんか一点突破で語り終えてしまいましたが、他のエピソードも欠点の方向性はほぼほぼ一緒、そしてシチュエーションが全般に月並みで、テロップのみの後日譚で恐怖を出そうとする余り後味を悪く、より不自然にしているのも一緒なので、細かくは語りません。
出来映えまで原点回帰しなくても。[レンタルDVD鑑賞日記その929]
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