2月7日に、2020年6月リリースの『心霊曼邪羅24』を鑑賞。アイドル活動の裏側を紹介する映像に収められた怪異《グラビア撮影のメイク中》、封鎖された心霊スポットで撮影された《鎮魂の聖域》、友人と出先で行った配信の記録に不気味なものが映りこむ《隣のブランコ》など、全11篇を収録。
前巻に続き“原点回帰特別編”と銘打ってます……イヤな予感の通りでした。
作り方には二通りあるようで、どこかからいただいてきた映像に、奇妙なものを挿入して怪奇映像に仕立てたものと、キャストとロケーションを準備、ざっとシチュエーションを整えて撮影したもの。
どっちもリアルな怖さ、説得力があればいいのですが、どちらも欠如しているのが最大の問題。
映像に現れる怪奇現象なんて、色々あって然るべきなのに、1巻の中で作風というか、クセみたいなものが出てしまっているのがいけない。怪異をがっつりと人の形で見せてしまうこともそうですが、《バッカパッカーの商談》と《赤子呪厄》は、背景がまるで違うのに、現象の傾向が似ている。こういう作品を相当数観てても同様の現象は極めて稀なのに、ひとつの巻にまとまっていても、スタッフがそのことに関心を抱かないのは不自然すぎる。怪奇ドキュメンタリーなのですから、両者に関連性があるのか、何かしら共通する要素があるのではないか、という考察、或いはせめて視聴者に仄めかすくらいの工夫は欲しい。
で、《怪談収録のトラブル》や《廃神社に潜むモノ》など、怪奇現象の起こるシチュエーションを決めて撮ったと思しいエピソードは、おしなべてカメラワークが変。みんな、なんで変なものを撮したとき、すぐにレンズを逸らしてしまうのか。見えたとしても、一目で不気味なもの、と解るシチュエーションでもない限り、カメラを派手に動かすことはしない。特に、暗がりで撮影されたものなど、カメラは暗視モードになっているのですから、肉眼ではまず見えないし、見えたとしても、その詳細はすぐに解らない。だとしたら、人がするのは、カメラを明後日に向けるのではなく、“確認作業”です。同行者がいるのなら、「見えた? あれなに?」みたいなやり取りがあってもいいし、肉眼とは性能の異なるカメラがあるのだから、気づいたあと、確認のためにもういちどレンズを向ける、ズームなどを調整してよく確かめる、みたいなプロセスがあっていい。一様に“驚いてカメラを逸らす”ばかりなのが、やっぱりどー考えても理に適ってない。
巻末に収録された《呪われた湖》に至っては、一瞬ですが、怪異現象どころではない一大事が起きた可能性があるのに、そういうときの一般的な反応が、撮影者にまったく見られないのが不自然すぎる。そのあとの出来事にしても、撮影者と同行していた人物には、この状況が異なる形で見えていたはずで、撮影者本人がそれを訊く、という過程があってもいいし、それがなくとも、スタッフくらいは、同行者の証言を求めてもいいはず。
前巻の時にも書きましたがもういっかい書きます。作りはシリーズの原点に戻るとしても、出来映えまで初期の稚拙さを再現せず、レベルを上げて欲しい。ドキュメンタリー部分が邪魔、という人も一定数いるのでしょうけれど、だとしたら尚更に、どうすればリアルに捉えてもらえるか、という考察と工夫はちゃんとするべき。
出来映えまで原点回帰しなくても。(reprise)[レンタルDVD鑑賞日記その931]
kaiki


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