在宅透析にもだいぶ慣れてきました。ミスも減ってきて、スムーズに進むようになってきた。
……かと思いきや、きのう、思いがけないところでミスがあった。
在宅透析でも、状態を確認し、ドライウェイトの再設定や処方薬の調整を実施するため、定期的に通院する必要がある、というのはこのあいだ記した通り。
その際、血液検査も行うのですが、診察当日に採取するかたちではすぐに結果が出ない。なので、予め必要な医材を渡され、自分で血を採るわけです。
もちろん、注射をするわけではない。採血は透析開始前と終了後に行うのですが、開始前は回路と繋ぐ前に、刺した針の接続部から採取する。終了後は、そのままポンプを回し続けた状態で、回路にある専用のアタッチメントから採取します。
このとき、ちょっと変わった形状のカートリッジを使います。太めの筒の中に、針が生えているような作りで、ここにスピッツという血液採取用の器具を差すことで、勝手に必要な量の血液が吸いあげられるようになっている。
前回の診察前に採血を実施したときは、このカートリッジを装着するときに、針を鉗子で止めることを忘れて出血する騒ぎになってしまった。しかし、いちど失敗しているので、同じことは繰り返しません。採取するとき以外はしっかりと鉗子で出血を止め、無事に採血を済ませた。回路を繋ぎ、透析を開始して、少し落ち着いたところで採血したスピッツを遠心分離機に入れて回しているときに、突然、問題に気づいた。
採血用のカートリッジが、もう残ってない。
カートリッジとスピッツは、前回の診察のあとにクリニックの方に手渡された。血液は要冷蔵なので、搬送用の保冷バッグも託される。このバッグの中に、必要な消耗品はぜんぶ入っている――と思いこんで、この日までまったくチェックしてなかった。
改めてバッグの中を探ってみますが、どう調べても、カートリッジがない。
回路のアタッチメントから血を採取するには、ふたつのカートリッジが必要になる。ひとつは、採血だけでなく注射にも用いるもので、回路のアタッチメントに接続する専用のカートリッジです。こっちは在宅透析を始めた最初の日に、技師のかたが多めに持ってきてくれたので、まだ足りている。しかし、採血の際はこの回路用のカートリッジに採血用のカートリッジを差し込まなければいけないのに、後者がないわけです。
すぐにクリニックに電話をかけた。どー考えても先方のミスなので、最悪、カートリッジを持ってきてもらうつもりでいたのですが、手許にあるシリンジを使えば採血は出来るらしい。
在宅透析でシリンジを使うのは、針先に詰まった血栓を抜いて、値の通りを良くするのがメインです。慣れないうちは、手間取ったり緊張が原因で血栓が出来やすいので、最初に届いた資材にまあまあの本数が入っている。私が通常、使う際は取り外してしまうのですが、このシリンジには針もついている。シリンジを回路用のカートリッジに装着して、血液を抜いたあと、カートリッジを外して、針に付け替え、スピッツに刺す。これでシリンジのポンプを押し込めば、スピッツに血を採れる、というわけです。
それで出来るならば問題はない。透析終了後、実際にこの手順でやってみた。
回路から外すとき、血が飛び散りました。
……そりゃそうだよ。だって、まあまあな圧力で血を循環させてるんですから、カートリッジを抜き差しするときにも圧はかかる。採血用のカートリッジはスピッツを装着しているとき以外、圧が漏れないように作られてますが、シリンジはそうではない。どこかで調整を施さない限り、シリンジを外すときに血が漏れるのも道理なのです。
最終的に、採血は出来ました。しかし、透析機器の足許に敷いたペットシートに血が垂れている。回路のあちこちにも血痕が残ってる。
自分ではどーしようもない点で失敗したことが、どうにも釈然としません。いまお世話になっているクリニック、まだ体制が整ってないせいもあるのかも知れませんが、こういうミスがしばしば発生する。電話で問い合わせしたとき、カートリッジ類は余分に準備しておいてもらうようにお願いしましたが、忘れないうちにもういちど念を押すべきかも知れない、と思い、明けたきょう、出かけるついでに立ち寄り、採取した血液を提出がてら、お話ししてきました。ついでに採血用のカートリッジを予備として少しまとめてもらってきた。
次の採血はたぶんひと月ほど先のはず。こんどこそ、ストレスなく片づくといいな~……。
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