話が違いません?

 きのう、透析の際に採血が必要だったことは書きましたが、実はちょっと、妙なことがあった。
 透析に用いる使い捨ての血液回路はオーダー式で、クリニックの方針や機材に合わせて、詳細を変更出来るらしい。在宅透析を始めた当時の血液回路は、以前の仕様に合わせたままのために、不要なパーツが入っていて、毎回無駄に捨てていた。
 それで何ヶ月か前、新しい回路に変更したのですが、どうも何かのミスで、採血に使うアクセスポートが足りない形で製造されてしまった。
 もうけっこうな数、製造されたあとなので、ひとまずはこの状態のままクリニックや在宅透析の患者に供給し、払底してから、正しいものに切り替えることにした。
 むろん、それでは採血は出来ない――いちおう、ひとつアクセスポートはついているのですが、ダイアライザーを挟んで静脈に近い位置にある。採血は、ルート的に身体を通ってきた直後、つまり血液を取り出す動脈に近い側でないと正確なデータが取れないので、静脈側を使うのは問題があるのです……と言いつつ、何か誤解があったようで、私はしばらく静脈側から取っていましたが。参考程度にはなるらしい。
 とはいえ、やはり採血は動脈側から行わねばならないので、誤った仕様の血液回路が払底するまでは、以前の回路をいくつか保管しておいて、仕様が訂正されたものが供給されるまでは、採血の際だけ古い回路を使用するよう指示されていたのです。
 だが、いざ採血のときに、古い方に交換することを忘れてしまう。前にもいちどやらかして、注意はしていたつもりなのですが――昨日、またやらかしてしまった。
 気づいたのは、プライミングと呼ばれる、準備段階がほぼ一通り済んだところ。いちおう前回ミスしたときは、いったん静脈ポートから採血したものを提出し、代わりに採血用のスピッツをもういちどもらって、その比に採血をやり直す、という過程を踏みましたが、1回余分にクリニック通いをせねばならず、この炎天下では少々憂鬱だなー、と思いつつ、回路を眺めて――あることに気づいた。
 ……採血ポート、動脈側にちゃんとあるよ?
 我が目を疑いました。何度回路を確認しても、新しいものです。古いものに比べて、血液ポンプに取り付ける箇所の着色が薄くなっているので、その区別はしやすい。古い血液回路にあった、不要なパーツもありません。しかし、どう見ても動脈側に採血ポートがついている。
 これはどういうことだ、と首を傾げましたが、自分では事情が解らないのだから、考えるだけ無意味です。ひとまず普通に透析を始めました。採血は、透析開始直前は動脈側の血管に刺した針にスピッツを直接繋いで行い、透析終了後、回路にある血を身体に戻す《返血》という行程に入る前に、採血ポートにカートリッジを取り付けてふたたび採血を行う。いずれも、1本ずつ遠心分離機にかけておいて、それからクリニックに提出します。クリニックから離れたお宅で実施している患者は郵送しますが、私は直接保っていく。
 で、本日の午前中、とりあえず採取した血液を提出しつつ、技師さんに事情を確認してみた。
 新しい血液回路に、いつの間にか採血ポートがついていた事実を、把握してなかったそーです。
 若干の不安は残るものの、動脈側についている採血ポートから採取したものなら問題はないだろう、ということで、そのまま受理してもらいました。いちおう、技師さんには業者さんに、事情を確認してもらうようお願いしました……次回の診察までには忘れてそうな気もする。
 ただ、いまちょっと悩んでいるのは――古い血液回路をいつ使用してしまうか、という問題。先日の搬入でちょっと多めに血液回路を注文してありますが、まだ開封していないため、果たしてそちらにもちゃんと採血ポートがついているのか解りません。古い血液回路を使ってしまうのは、もうちょっと待ったほうがいいかもなぁ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました