今年、順次やって来た猫たちも、いちばん最後に来たチコちゃんが5ヶ月近く経ち、完全に馴染んでおります。
最初に来たマリちゃんは、あんなに気性が荒かったのに、近頃は私にも母にもおべっかを使ってます……ただしこの子はちょっと悪戯っ子です。キッチンの机の上に置いてあった食材をいじるどころか、シンクの生ゴミまで弄ろうとするので、ときどき私と母に叱られております。
そして、しょっちゅう人の膝の上に乗ってくる。酷いときなど、3時間ほど実施する透析のあいだ、ず~っと乗ってる。回路に血塊が詰まって圧が上がったときなど、ときどき鳴るアラームに対処するため立ち上がらなきゃいけない、というときでも、なかなか動いてくれません。結局意地で振り落としておりますが、その辺を学習するつもりはないらしい。先代は膝の上に乗ってこなかったので嬉しいといや嬉しいが、ものには限度があるぞ。
2番手に来たなっちゃんは、そもそも到着2時間で籠の中から出した途端に馴染んだ剛の者ですが、更に慣れて、家中駆けずり回ってます。丸々とした体躯で走り回るから、足音で居場所が解る。猫なのに。
この子は近頃、私が昼寝をするタイミングでやって来て、人の上に乗っかるのが習慣化しました。全然伸びない「ニャ、ニャ」という妙な鳴き方ですり寄ってくるのは可愛い……が、とにかく重い。先日は、胸の上にドカンと横になってきたので、ちょっと本気で窒息するかと思った。脚のあいだで寝ていても、そのまんまず――っと動かないので、寝返りも出来ないのがしんどい。ある意味でいちばん貫禄がある。
いちばん変化があったのはチコちゃんでしょう。最初の頃、隠れてばかりいたのが嘘のように、いまや常に目につくところにいる。撫でると実に猫らしい声で「にゃー」と鳴きます。構い甲斐がある。
この子の面白いところは、私と母の生活ペースをよく把握していること。特に夜、私が透析を始めたくらいの頃合いに、なんとなく母がいちばん猫の好きな餌をおやつのように持ち出すようになったら、数日で覚え、同じ時間帯にねだりに来るようになった。透析が済む時間になると、まず上がってくる母にべったりと甘え、落ち着いたら今度は、荷物を持って階段を上がる私を出迎え甘えてきます――最近は待ちきれなくなったのか、人がまだ片付けをしているところにやって来て私に邪険にされたりしてますが。落ち着いて撫でてあげると、喉を鳴らし、手を止めると、長い身体で思いっきり伸び上がってきて、もっと構って、とせがんでくる。こんなに甘えてくる子だと思ってなかった。
しかしそんなチコちゃんも、どうやら密かに悪さをしている節はあって、先日、透析中のお茶の時間に、母が自分用に置いていたカステラを、私たちの目が離れている隙にひとつ平らげてしまいました。どうやらああいうスポンジケーキの類が好きらしい。以来、母は席を離れるとき、透析中で動けない私の目の前におやつの皿を置いていくようになりました。普段はいい子に見えますが、猫を被ってるんだなこれは。
3匹ともやんちゃで、個性的で、しばしば困らせますが、我が家のいい癒しになってくれてます。なにせ3匹とも10歳越えなので、いつまでいてくれるか解りませんけれど、伸び伸びと暮らしてくれればいい。


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