昨年8月にリリースされた『帰ってきた!監死カメラ2』を鑑賞。レギュラー企画の“K-FILE2”と“KATORの怖い話2”に、まだ本格導入される前に監視カメラを自作した際の怪奇映像“試作機”、突如として行方をくらました人物の異様な痕跡を巡る“カメラを止めるな”、及び“学生会館”の5篇を収録。
……ええと、何はさておき、とりあえず再現ドラマのヒドさは何なのだ。あれは笑わせたいのか。病院のはずなのに廊下や部屋が明らかにありえない構造なのはまだ許すとしても、ナースコールのパネルしか階数表示が紙に書いて貼ってあるだけなのはどういうことだ。ニセモノでいいからもうちょっとそれっぽく作ってくれあれでは笑うしかないだろ!! 想像力で補ってくれ、と注釈を付けてましたけど、観る側に想像力を要求する前に作り手のほうで工夫してくれ!!
旧シリーズときからしばしば陥りがちだった、キャラクター主導のシュールなコントめいた方向に、2作目にして早くも大きめに傾いてる印象が強い。今回の目玉はクライマックスの眺めのエピソード“カメラを止めるな”でしょうし、よその怪奇ドキュメンタリーではほぼほぼお目にかかれない異様な展開は面白いものの、終盤に登場する当事者らしき姿などを見るにつけ、苦笑いを禁じ得ません。その一方、無慈悲とも言える決着が味わい深いのも確かではある。
変なもの自体は小振りなんですが、怪談になるような出来事の一部始終を記録した映像として興味深い“学生会館”に、ごく低機能で画質も極めて粗い試作段階で捉えた奇妙な映像を採り上げた“試作機”、いずれも映像自体はシンプルですが着眼がよく、この辺りに旧シリーズの良さが戻ってきた感はありますが、それならやっぱりもう少し粒が欲しい。ヘタレの元廃墟マニアのシリーズや、安っぽすぎる再現ドラマで埋めるのは最小限にしたほうがいいと思う。
それにしても、まがりなりにも女優を自称するなら、『カメラを止めるな!』ぐらいいちおう見ておこうよ金田さん。
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