レンタルDVD鑑賞日記その682。

 今年1月リリースの『心霊闇動画39』を鑑賞。百物語の最中に異変が起きる“廃屋での怪談”、少人数でのレッスンを撮影中、参加者の身を不可解な出来事が襲う“格闘技教室”、いわくのある刑務所付近で幽霊を見た、という友人の話で盛り上がり撮影に向かった青年たちが遭遇したもの“やしろさん”ほか全6篇を収録。
 最近は『ほん呪』よりこっちのほうがまだ許せる気がします。演出補は出てくるけど出しゃばらず、取材の範囲は狭いけどそのなかでちゃんと恐怖を掘り下げる努力をしてる。
 ……まあ、映像そのものの出来は色々と文句がありますけど。おんなじような出方をする人影の類がこうも固まるとさすがに不自然ですし、その中では特徴的な“格闘技教室”は、さすがに過程の動きが不自然すぎて、掘り下げる内容はいいのにちょっと笑ってしまう。何をされてるんだよ貴方は。
 内容的には終盤の2本、“境界線”と“やしろさん”はなかなかいい。“やしろさん”は軽薄な若者たちが都市伝説にかこつけてバカ騒ぎしてたら本物が映ってしまった、という有り体なパターンではあるんですが、登場する怪異がユニークで、それをしっかり捉えている展開はホラーとして悪くない。“境界線”はカメラの目線では見過ごしてしまう、しかしあからさまな異常事態を捉えていて、私の好きな《フィクションでも許せる》タイプの話。これは、思いついた時点で勝ちです。
『ほん呪』がどんどん安定感を損なっていってる分、『呪われた心霊動画XXX』シリーズと共に、数少ない、安心して鑑賞出来るシリーズになりつつあります。ツッコミどころもありますけど、ちゃんと怪奇ドキュメンタリーとして楽しめるのがいいよね。演出補の言動にいちいちツッコまされるよりはずっとまし。

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