老舗のシリーズも大変みたいです。[レンタルDVD鑑賞日記その715]

 今年3月リリースの『ほんとにあった!呪いのビデオ91』を鑑賞。コロナ禍での法事の様子を撮影した映像が捉えた怪異“這う”、深夜に遊具が散乱する施設で犯人を特定するために仕掛けたカメラが捉えた“シリーズ監視カメラ 遊具”、投稿者の亡くなった父が遺したテープに残されていた映像をきっかけにとある信仰に行き着く前後篇“金神”など、全8篇を収録。
 ……合成が下手だなあ、というのが正直な感想。
 最後まで悪い印象が改善することのなかった先代が退いて2作目(実際にはファミリー劇場先行版もあるので3作目)ですが、残念ながらレベルは上がってない。シチュエーションにはそこそこ工夫はあっても、肝心の怪奇映像が合成感ありありで、見せ場で醒めてしまうのはどうにかならんもんか。そもそも、手ブレや画角の変更が多い素人風の撮影に違和感なく合成するのは難しいんだから、そこの技術を磨くか、設定を工夫してカメラを固定する、とかすればいいのに……まあ、実のところ、固定カメラの映像もそんなに出来は良くなかったが。
 前後篇の長篇は、ドキュメンタリーとしてはそこそこ見応えがある。視聴者に対する情報の提示を遅らせて関心を惹く小技とか、取材部分に不気味な展開があって怖さを掻き立てる構成など、作りはわりと私好みではあった。
 が、そういう美点を掻き消すくらいに、映像の出来が悪い。別に状況が多少不自然でもいいんだけど、せめて「これは合成じゃないのでは……」と信じてしまいそうになるくらい、自然に見せる努力ぐらいしてくれ。
 定期的にメンバーを入れ換えているのは恐らく新風を採り入れる狙いがあるのでしょうが、なまじシリーズの基本的なムードを押さえようとしているが故に、行き届かないところが目立っている。こんな感じのままだとどんどん後進に出来映えで追い越されるぞ。

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