昨年10月リリースの『心霊闇動画46』を鑑賞。クリスマスパーティで知り合った女性に連れて行かれたマンションでの不可解なひと幕“パーティの後で”、同窓会の翌日に廃校となった母校で遊んでいた投稿者たちを立て続けに襲う怪事“暴騰”、業者が受注した紹介映像に映り込んだ不気味な存在と被写体を巡る顛末“ケーキ教室”など、全6篇を収録。
リリースのペースは非常に早い、けどそのぶん、怪奇ドキュメンタリーとしての質はお察し。
映像そのものは加工っぽくても、ドキュメンタリーでの盛り上げ方が巧ければ評価する、というのが私のスタンスなんですが、どっちも微妙だとちと困ります。特に今回、怪奇映像の映り込みがみんな似たり寄ったりで変化が乏しいですし、ドキュメンタリー部分もわざとらしいものが多い。
インタビューなどでの補完が長めなのは、粗筋を記した3本なんですが、全般に不自然だったり、出来すぎた話が多くていまいち信じ切れない。唯一、エピソード的にはまあまあ評価出来るのは“パーティの後で”なんですが、残念ながら、語られている出来事と映り込んだ現象があまりに乖離しすぎて、ピンと来ない。この怪異でどうしてこんな現象が? と腑に落ちない感覚もまた時として恐怖に繋がることはあれど、ここまで行動と現象が結びつかないと、エピソードとしての印象が薄まってしまうのです。ほんとに、エピソードとしてはなかなか怪談じみていて興味深いだけに、よけいもったいない。
ただこのシリーズの場合、ほぼ途切れることなく巻数を重ねるバイタリティそのものが売り、とも言える。数が増えるぶん、個々のクオリティが落ちるのは、まあ受け入れるしかないか……。
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