7月8日に、2018年2月リリースの『心霊曼邪羅6』を鑑賞。山中に入って道を見失った3人組を怪異が襲う《山中迷子》、撮影に熱中して取り落としたスマホに異変が起きる《スマホ憑き》、事故死した男性の乗っていた乗用車に搭載されたドライブレコーダーが記録したあり得ないもの《死亡直前の記録》など、全11篇を収録。
基本的には、展開に毎回違いがあって、フェイクであってもショートホラーとして楽しめる仕上がりは相変わらず保ってます。
ただ今回、引っかかったのは、全般にシリーズ内で既視感のある成り行きが目立つことと、現象がますます似通ってきたこと。《ゴミ捨て場探索》は、ゴミ集積所らしき屋外の施設を覗き込んで人影が、というくだりが旧作にもありましたし、《山中迷子》は、異様な鳴き声が繰り返すなかで、いなかったはずの存在が映り込む、という趣向。《谺響》も、怪異の置き方は旧作にやたらと似たようなものがあって、「またか」という気分にさせられてしまった。各々、怪異の発生の仕方やそこまでの展開はまるで違うとは言え、私のようにシリーズを立て続けで鑑賞していると気になって仕方ない。
一方で、展開が違っていても、現実の行動で引っかかるところがあるのも気になるところ。とりわけ巻頭の《ゴミ捨て場探索》は、ちゃんとした大学のレポートとして取材しているはずなのに、ゴミ置き場を素手で探る、という問題の多いことをしたうえ、どこかで血が付いてしまった撮影者を、同行者はまったく心配せず、レポートを続けている。ゴミ捨て場を素手で漁って怪我した、なんて最悪のケースだって考え得るのだから軍手ぐらいは必須だし、何より、本人が怪我をしている可能性があるのだから、同行者はそこを心配しなきゃいけない。頭の悪い大学生なら、こんな軽率な行動をしてる場合もあるかな、とは思うけど、大学側からお灸を据えられるとか、本篇のスタッフが注意すべき案件だと思う。
何より、最終的な現象を一括りにすると、みんな“不気味な人が突如現れる”になってしまうのがいちばんの問題。この辺、どうも月イチとかのハイペースでリリースしていたようなので、結果として『心霊闇動画』と同じような悪循環に陥りかけているように思います。手遅れだけど、ペースを落として厳選するか、本数は確保出来るらしいのだから、内容を散らせよ、と言いたくなる。
ただ、シチュエーションの多彩さ、怪異に至るまでもきちんと同行を追ってしまう内容になっていることは相変わらず評価出来る。そこに配慮してるだけで、まだまだ観ていられるのです。迷子になった山中でず~っと同行者を罵ってるひととか、事故そのもので歯なく直前までのドライブレコーダーの記録を見せる、とか、この設定だけでわりと観続けてしまう。
新作に追いつくまでは、こちらもハイペースで鑑賞していくことになりそうですが、これ以上の質の低下が起きてないことを願いたい……。
なお、今回は珍しく商品リンクに楽天ブックスのページを貼ってますが、どういうわけかAmazonの商品ページが作れなかったのです。なんでかは解りません。
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