8月1日に、2018年8月リリースの『心霊曼邪羅10』を鑑賞。出来心で公園のホームレスを襲撃した若者たちが遭遇する恐怖《ホームレス狩り》、身に覚えのない請求の相手に電話をかけ対決する様を動画サイトにアップするため撮影していたとき、思いがけぬ災厄が訪れる《架空請求撃退》、心霊スポットと言われる山の中に踏み込んだ男性二人が遭遇した恐怖《心霊山探訪》など、全11篇を収録。
今回からナレーションを器用。説明はテロップのみ、のストイックなやり方では、背景や影響が充分に語れない、ということに気づいたのでしょう。ドキュメンタリーパートが誕生するのもそう遠くない。
ただ内容は相変わらず。展開はそれぞれ工夫があるんだけど、肝心の怪異が一辺倒で、だんだん驚きよりも「またかい」という気分が募ってしまうのも相変わらず。
とにかく怪異現象のパターン化はだいぶ深刻です。実際には色々なかたちで怪異が紛れ込むことが考えられるのに、基本は人や何かの後ろに影、そして色味はだいたいグレーがかっている。虹色に光ったっていいと思わないか1とまでは言わないけれど、ただよぎっていく人影、違和感のある動き、画面全体に生じる異変、とかパターンはまだまだたくさんあるだろうに。
この、最終的な怪異のパターン化で、どれほどそこまでの設定や展開に工夫があっても、終盤がみんな似たり寄ったりになってしまうのです。折角、ナレーションを起用して、ドキュメンタリー部分がなくても、若干の詳細な表現は可能になったのに、これではだいぶもったいない。
ただ、思いつきでホームレス襲っちゃいました、とかどう見ても普通の山なのにまるまる心霊スポットです、みたいなシチュエーションには「おいおい」とツッコまざるを得ない。前者はタマタマ成り行きでセーフになったように見えるけど普通に犯罪だし、後者は“山”がそもそもどういうものなのか、を軽く考えすぎてる。恐山みたいなところもあれば、遙か昔から“霊山”“霊峰”として信仰されてきた山はそれなりに登山道が(急峻だけど)出来ているし、そうでないところはきちんと礼拝が出来るように余計しっかりと整備される。採り上げられたような山は、最近になってそういう言い方がされるようになった、と考えられますが、そもそも山って、どれほど小さくても遭難の危険は孕んでいるし、多かれ少なかれ死者はいる。“心霊山”なんて胡乱すぎる定義は頼らない方がいいです。このシリーズに採用された映像からだって解るように、怪異は真智のどこにでも現れうるんだから。
……とは言え、この《心霊山探訪》の怪異、動きはイヤじゃないのです。前後のカメラの動きは凡庸すぎるけど、肝心の怪異の開き直った動きは好き。観ていて笑ってしまう……笑われていいのか、とは思うが。
なお、Amazon.co.jpの商品ページへのリンク、紆余曲折を経て、やたらとシンプルになりました。この前まではアフィリエイトのポータルサイトでアドレスを生成してたんですが、色々あって利用できなくなり、どうにか画像を引用できないものか四苦八苦した挙句、Amazon.co.jpの商品画像を直接表示させて、そこにリンクを自分で付けるのが一番早い、という結論に辿り着いたのでした。これだとタグが最小限で済むし、別に出さなくても良かった価格なんかもここに記載する必要がない。はじめっからこうしていれば良かった。
過去の商品リンクも、クリックすると変なところに飛ぶようにされているところが増えているはずなので、適宜修正していきます。
- byさだまさし『天然色の化石』。[↩]
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