ちゃんとサポートはしてあげろよぉぉ。[レンタルDVD鑑賞日記その918]

心霊曼邪羅20(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 10月22日に、2020年1月リリースの『心霊曼邪羅20』を鑑賞。怪異の起きる噂がある場所で生配信を試みた男性が見舞われた恐怖《赤舐女》、心霊スポットだという場所に向かった男性二人が記録してしまった怪異《山中の鉄塔》、霊媒師が除霊を取材中に起きた異変の記録と、その周辺を追った長篇《憑代》前後編など、全8篇を収録。
 これだけ巻数を積み上げてるのだから、それなりのクオリティなのだろう、と期待して借り始めましたが、ず~っといまいちなまんまレベルが上がらず。
 ……というか、他のシリーズでもそうなんだけど、スタッフのキャラを立てているふりをして、最低の人間にするのはやめたほうがいいと思う。長篇《憑代》で、演出らしきスタッフが女性スタッフを、投稿映像が撮影された事故物件に深夜、ひとりで滞在させておいて、自分は別のところで寝てる、というのは、どれほど控えめに言っても“最低”です。余計なものを介入させないため、女性スタッフひとりを置く、というのはまだ許容するとしても、非常時のために別スタッフは付近に待機、出来れば定点カメラひとつでも置いてモニターしていて欲しいし、それが不可能でも、当人が不調や、気持ちの限界を訴えた場合、なるべく早く迎えに行くのが普通でしょう。女性スタッフが限界を訴える電話に、「夜遅いですよね」「もうすぐ朝になるから、それから迎えに行きます」とか、機材をそのまま残してきたことに不服そうな口振りをするとか、その振る舞いに呆れます。安全圏でふんぞり返ってるパワハラ野郎以外の何ものでもないではないか。
 という具合に、スタッフに苛々して、肝心の長篇のネタはどーでも良くなっております。《ほん呪》初期に確立された、スタッフのキャラを立てて、ドキュメンタリー部分にドラマ性やユーモアを加える、というのは発明だったけれど、センスのない人がやっても効果を上げない、という好例。
 それ以外のエピソードもいまいち。わりあいはっきり映っているエピソードは《赤舐女》と《揺れるブランコ》のようにシチュエーションが妙に似通ってるし、《電車とホームの間》は「よくこれに気づいたな」という映り方だし、他のエピソードにしても、映り込む怪異が血まみれだったり見下ろすように睨み付けていたり、とあまりにもステレオタイプな“怖さ”の表現をしているので、却って生々しさも怖さもない。ナレーションの軽薄な決めつけも気になるし、隅々まで安易な作り、という印象が否めませんでした。
 肯定出来るところがあればしてあげたいんだけど、ちょっと無理でした。

 なお、DVDのほうはもう新品では入手出来ないようなので、上の画像のリンクはPrime Video版に設定してあります……こういう感想を読んでなお観たい方はどうぞ。まあ、厳しめに書いてはいますが、1篇1篇が短いので、時間潰しには適してるしねっ。

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