11月9日に、2020年3月リリースの『心霊盂蘭盆11 シビト祓』を鑑賞。映像系の専門学校に通う投稿者が心霊スポット探索を配信しようと目論んだ結果遭遇した恐怖《狐狗狸降霊》、売り出し中の女性タレントの話題作りとして心霊スポットへの潜入を試みた顛末《女子校生の亡霊》、人気YouTuberの動画にあやかって同じ場所での撮影を試みた配信者たちの体験した怪異《配信者達の跋扈》前後編、一連の動画の舞台を取材したスタッフが辿り着いた背景にまつわる表題作の全5篇を収録。
これはあんまし期待出来るクオリティに届かないな、と察してしまって、ちょっと借りるのを躊躇っていたシリーズが久々に到着。
怪異のインパクトとか、ユニークさでは非常に心許ない、と言わざるを得ませんが、1巻で繋がりのある映像をまとめた作品としては、個人的にけっこう評価出来る仕上がりです。
大半が、心霊スポットと呼ばれる森林公園のトイレに、配信者が赴いて怪異に遭遇する、というシチュエーションなので、漫然と鑑賞しているとものすご~く退屈な印象を受ける。ただ、ちゃんと観ると、それぞれに密接な繋がりがあって、かなり興味を惹かれる展開になっている。
1本目では、それ自体が怪異のようにも思える出来事が、別のエピソードで理由が判明し、そこに更に不気味な事実が重なっていく。パズルのような展開になっていて、思わず繰り返し観てしまう。
そしてそこに、同じ情報に縋って野次馬めいた人々が群がってくる影響を、ちゃんと採り上げているのが好感が持てます。巻末に置かれた表題作で、最終的に採り上げられる怪奇映像は、率直に言えばこういう怪奇ドキュメンタリーのなかではちょっと微妙な部類になるけれど、その前に描かれる、興味本位ではない関係者たちの心情、苦労に触れているのは意味のあることだと思う。
惜しむらくは、それで起きる怪異の顛末がどれも似たり寄ったりだったり、それを語る投稿者の態度が当事者として不自然だったり、とリアリティの面で難を抱えている点ですが、このシリーズではかなり評価の出来る内容でした。
下調べは大事よ。[レンタルDVD鑑賞日記その920]
diary


コメント