レンタルDVD鑑賞日記その554。

• 『封印映像31 監死カメラ』(At entertainment)

　今年の８月にリリースされた現時点での最新巻。心霊スポットの噂を検証しようと試みた男達が怪異に直面する“あいのり”、料理の様子をネットにアップした女性を見舞う災いの源とは“レシピブログ”、獣害に悩まされる山での調査中に撮影された惨劇“獣人の怨念”、自分の部屋を映した動画をサイト上に発見した女性の記録である表題作の４篇を収録。

　巻数を重ねて作風はだいぶ固まってきた一方、それ故に時々変な展開も見られるこのシリーズですが、今回は比較的よく出来ている。“あいのり”のあまりに有り体な展開にはちょっと失笑しますが、アハ体験めく“レシピブログ”や、過程にサスペンスにも似た見応えのある表題作はホラーとして上出来。

　……まあ、「リアルですか？」と問われると苦笑いするしかないんですけど。表題作は話としては面白いものの、そもそもの動画がどのように撮影されているのか、どうしてアップされていたのか、という部分がそっくり置き去りなのがいかにもフィクションじみてしまっている。とりわけ“獣人の怨念”は、怪異に遭遇するまでのプロセスは面白いんですが、中途半端に現実の知識を流用したことで、不自然な印象を強めてしまっている。

　ただまあ、このシリーズはだんだん、フェイクであることは前提として見せているように想われるので、振り切った大袈裟さについてはもう許してあげるべきなのかも。